米Googleは2010年12月2日、オンラインで増加し続ける著作権侵害行為に対処するための、4つの保護強化方針を発表した。これらの対策は、数か月以内に実施される計画。
一兆以上ものユニークなURL、1分当たり35時間以上ものビデオがアップロードされるYouTube、そしてiTunesやNetflixなど、インターネットの進化とともに私たちがアクセスできるコンテンツ量は飛躍的に増えてきた。しかし同時に、コンテンツの著作権侵害に関する問題も後を絶たず、削除申請の件数も増加しているという。そこで問題の解決に取り組み、著作者を保護するための新たな対策を実施することとなった。
著作権侵害報告から24時間以内の削除
第1に、Googleウェブ検索とブロガーを対象として、著作権者がDMCA法(デジタルミレニアム著作権法)に基づく削除要請手続きを簡略化するためのツールを提供する。正当な削除要請に対しては、24時間以内に対応する。また、誤って検索結果から除外された場合の異議申し立て提出の手続きも改善する。
著作権侵害と密に関連する検索クエリをオートコンプリートから除外
どの検索語が著作権侵害と関連するかを判断するのは難しいが、侵害行為を目的として検索される用語がオートコンプリート(旧キーワードサジェスト)に表示されないように最善を尽くす。
注)アプリケーションソフトやゲームタイトルの名前で検索すると、オートコンプリートに "serial number" や "unlock key" といった、著作権侵害と結びつくクエリが候補で表示されるケースは少なくない。こうした現状についてGoogleを厳しく批判する企業は少なくないが、同社は「あくまでアルゴリズムで自動的に選択されたワードにすぎない」と反論して責任回避をしていた。オートコンプリートの表示ワードを規制するという発表は、大きな方針転換となる。
著作権侵害サイトに掲載されるAdSenseのレビュー強化
GoogleはAdSenseプログラムの利用規約において、著作権侵害コンテンツを提供するサイトに広告を掲載することを禁じている。DMCA法に基づく削除手続きに則り、違反者をAdSenseから除外するための対策に著作権利者と強調して取り組む。
AdSenseプログラムを利用して、簡単に小銭を稼ぐ手法として、他サイトから無断でコンテンツを借用してサイトを機械的に構築するという手法は日米問わず行われている。これまではきわめて悪質な著作権侵害行為を中心にAdSense停止などの措置がとられてきたが、今後はこれを拡大していくと考えられる。
合法的なコンテンツへの検索アクセシビリティの改善
ユーザが合法的なコンテンツにアクセスしやすくするための、インデックス機能や検索機能の改善に取り組む。
著作権保護強化に向けた上記の方針が発表された翌日、Googleはデジタル著作権管理の米Widevine Technologiesを買収すると発表した。マルチプラットフォームDRMを提供しており、今後、動画の海賊行為を防ぎ、高品質なコンテンツ提供を目指す。
On demand is in demand: we’ve agreed to acquire Widevine
http://googleblog.blogspot.com/2010/12/on-demand-is-in-demand-weve-agreed-to.html
Making Copyright Work Better Online
http://googlepublicpolicy.blogspot.com/2010/12/making-copyright-work-better-online.html