今年6月に米Google・マット・カッツ氏は YouTubeに投稿した動画において、著者情報を明示する authorship が広く利用されるようになれば検索エンジンはより優れた検索結果を提供出来る可能性があることに言及したが、現在のところ authorship は検索順位に関係するのだろうか。
米GoogleのJohn Mueller氏(Google Webmaster Tools Analyst)は2013年9月末に開催されたGoogle Webmaster Hangoutにて、現在のところ authorship は検索順位に影響していないと回答した。同社Pierre Farr氏も同様に authorship は現在のところ検索順位決定のシグナルに用いていないと発言している。
rel=authorshipは2011年6月に発表された、ウェブページと著者情報を関連づけるためのマークアップ。様々なドメインに点在する同一著者によるコンテンツに authorship を適用することで、検索エンジンは1つ1つのコンテンツが誰によって作成されたものかを把握できるようになる。
インターネット上に散在するコンテンツの品質や信頼性を評価するためには、(1) コンテンツそのものの分析、(2) 第三者による意見表明、(3) コンテンツの作成者の情報、といった観点から分析を行うことで信頼性の推定を行うことが可能と考えられる。(1) はインターネット検索サービスが登場して以来、キーワードの出現個数や頻度から始まり、同義語や類義語の把握、文章のテーマの分析、そしてエンティティの把握へと進化してきている。(2) についてはいわゆる PageRank に代表されるリンク分析アルゴリズムや、TwitterやFacebook、Google+を通じたユーザーによる支持表明(リツイート、+1など)が挙げられる。一方の (3) についてはソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の普及により、ようやく今、それの検索技術への応用・融合が可能(かもしれない)段階だ。
まだGoogle authorship を導入しているウェブサイトも少なく、その意義も十分に理解されていないために検索順位のシグナルに用いることは時期尚早なのだろうが、検索技術を次のレベルに引き上げる可能性として著者情報の把握は重要なテーマの1つであり、検索エンジンマーケティングに携わっている者はこの動向はチェックしておきたいところだ。
Webmaster Central 2013-09-27
検索結果内の著者情報