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官公庁ドメインがブラックハットSEOの標的になりやすい理由

最近の中古ドメイン業界事情はあまり耳にしないのですが、どんな感じなのでしょうか。

2012年衆院選落選候補の元公式サイトが順調にSEO業者等のサテライトサイトに化けつつある (http://hatena.fut573.com/entry/2013/12/01/185446)

この界隈で働いている方々の中では半ば常識的なお話だと思いますが、政治家や官公庁関連のドメインは総じて狙い目の中古ドメインです。

理由は次の通り: (1) 当初の役割を終えた後は放置され、契約期限切れを持ってリリースされやすいこと、(2) 大抵は良質な自然リンクを獲得していること、(3) 官公庁所有のドメインは「期限切れによるリリース日」の事前予測が可能なため、早期に奪取のための事前計画準備が可能であり、したがって奪取成功後にGoogleを容易に騙すことができる、という以上3点の理由から、簡単に検索結果で上位に表示させたいことを願う人々にとって格好のターゲットなのです。

以前も紹介したかも知れませんが、2006年頃に開かれていた某省庁主催シンポジウムの公式サイトは、その後出会い系業者に取得されました。その某シンポジウムの開催を案内するバナー広告が各官公庁サイトの一部ページに残っているため、(go.jpサイトに掲載された)その協賛企業●●●のバナーをクリックすると出会い系サイトが開いてしまうという事態となっていました(管轄行政機関に指摘し、既に対処されています)。

何度か某行政機関の方から本件がらみの相談を受け、こうしたリスクと対処法について説明しているのですが、様々なしがらみや縦割り組織の問題で有効な対策方法がないようです。

政治家個人については、長期で運営する気がないなら独自ドメインとるな、と。落選したからといってすぐに放棄するのはやめたらどうでしょうか。

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理由が1つ抜けてたので追加しました (11:42)

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