2017年にトランプ米大統領がイスラム教徒の多い特定7か国からの入国制限命令を発したことに関連し、米Googleがこの大統領令に対抗することを目的に検索関連機能の変更を検討していたと米Wall Street Journalが報じている。
The email traffic, reviewed by The Wall Street Journal, shows that employees proposed ways to “leverage” search functions and take steps to counter what they considered to be “islamophobic, algorithmically biased results from search terms ‘Islam’, ‘Muslim’, ‘Iran’, etc.” and “prejudiced, algorithmically biased search results from search terms ‘Mexico’, ‘Hispanic’, ‘Latino’, etc.”Google Workers Discussed Tweaking Search Function to Counter Travel Ban [Wall Street Journal, Sept. 20, 2018]
報道によると、ある Google社員は社内メールのやりとりのなかで検索機能の活用し、「イスラム」「イラン」「イラン」「メキシコ」「ヒスパニック」といった検索クエリで表示される反イスラムやイスラム嫌悪といったアルゴリズム的に偏りのある検索結果に対する対抗措置を提案したという。
Google広報は報道に対し、これらのやり取りは単なるブレインストーミングであり、実際に検索サービスに実装されたものは1つもないと回答している。
同社は創業から一貫してアルゴリズム検索において検索結果を故意に操作・変更することは決してないと述べてきた。今回の報道においても、特定の政治思想を広めるために検索結果を変更することはないと明言している。
しかし、実現はしなくとも同社社員が社内で政治目的の検索操作を議論していたことが明らかになったこと、そして先日の中国市場向け検索技術開発における検閲問題とあわせて、同社検索の中立・公平性や検索市場独占の現状について改めて厳しい目が向けられる可能性がある。