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海外カンファレンス SEO系セッションの選び方

目次 海外カンファレンス SEO系セッションの選び方

最近はオンラインでライブ中継するカンファレンスも増えて日本にいながら学べる機会が増えました。しかしセッション選びが難しいことに変わりありません。この記事では、SEOやコンテンツマーケティング(その他、一部のデジタル系でも適用できる)関連のカンファレンスにおけるセッションを選ぶコツを紹介します。

はじめに

コロナ禍以降はオンライン開催のカンファレンスやウェビナーも増えたことで、日本に在住の方でも参加しやすくなりました。徹夜に加えて翌日も普通に仕事しなければならないという覚悟は必要ですが、良い時代です。

さて、多くのカンファレンスはキーノート(基調講演)と多くのブレイクアウトセッション(分科会、個別のセッション)で構成されています。難しいのは後者のセッションの選び方です。みなさんも、セッションタイトルに惹かれて参加したものの「思っていたものと違う、期待外れ」「初心者向けすぎてつまらない」「根本的に間違っている*1」といったがっかりした経験をした人もいるに違いありません。

私は前職(広告代理店)の最後の5年間は、企業交渉やネットワーキングが主目的の海外出張の合間に、空いた時間でカンファレンスに参加していました。「学びのないセッションに参加するくらいなら他の仕事を進めるか観光したほうがマシ」と考えていたのでセッション選びは事前調査を徹底して厳格に選定していました。おかげで、自分の要望や期待に沿うセッションを見分けられるようになりました。

この記事では、私が当時行っていた事前調査の方法を共有します。SEO、コンテンツマーケティング、CRO、デジタル広告、Web解析などデジタル領域全般で活用できると思います。あくまで私個人のやり方でありですが、1~2つくらいは皆さんに役立つものがあると期待しています。

参加目的を明確にする

日本人参加者でよくあるダメなところは、「受け身」で「何か学ぶという曖昧な姿勢」で参加しがちな点です。

具体的には「何か新しいことを知りたいから参加する」と「課題意識を持たずに参加する」の2つが挙げられます。

前者は大きな勘違いをしています。カンファレンスは新しい発見や研究を発表する場ではありません。最新のことを学びたいならソーシャルメディアやブログを毎日チェックしたほうが効率的です。目新しいことがあるか・ないかで評価すること自体が間違っています。

後者は、講演が終わっても質問がほとんど出ない日本人*2と、次々と手をあげて質問する外国人の違いという、国内外のセッションでよくみられる風景が、両者の参加意識の違いを如実に物語っています。

重要なことは、カンファレンスに参加するなら「参加する目的」「普段の業務における問題意識」そして「参加を通じて得たいもの」を具体的にしておくことです。参加意識を持てば自分が参加したほうがいいカンファレンスも決められるし、どのセッションに参加すると目的に適うのか判断しやすくなります。

たとえば私は、SEO系のカンファレンスに参加するときは「大規模サイトのSEO推進における施策推進に関するフレームワーク(考え方)や実務経験について学ぶ」「スピーカーには、実務におけるいくつかの課題について質問して、彼/彼女ならどう対応するか質問ぶつけて議論する」といったように、現地(オンラインなら講演終了後)でやりたいことをある程度決めていました。コンテンツマーケティング系であれば「コンテンツ戦略の立案におけるフレームワークや、大企業の実務的な戦略推進の方法を学ぶ」といったように、異なるテーマのカンファレンスであれば当然、別の目的を設定します。

講演者のバックグラウンド調査

事前に公開される講演題目(セッション一覧)に目を通して興味のあるセッションを見つけたら、講演者のバックグラウンドを調査することを強くお勧めします。

講演者のプロフィールや経歴から、自分が期待する事柄が得られるか判断するためです。たとえば、大規模サイトのインハウスSEO業務に従事している人が、中小企業向けのSEOコンサルティングを主としている講演者のセッションに参加しても高確率でがっかりします。同じSEOながら見ている世界が違いすぎるからです。その逆も然りです。

私は普段、講演者のLinkedInやTwitterを探して、以下のような項目を調査して判断しています。SEOを例にして説明します。

業務歴(年数)

題目に関連する領域の業務経験歴を確認します。LinkedIn なら過去のキャリアも含めて大抵の人は記載しています。

セッションのなかには、ある程度の業務歴がなければ語りようがないトピックがあります。そのトピックを語るに相応しいキャリアがあるか確認するためにも業務歴をチェックします。

私の場合、基本的に大規模サイトを運営する事業者との仕事が多かったのでカンファレンスでもその領域のセッションを中心に参加していました。したがって、SEO関連なら最低でも直近業務歴10年以上、最低でも(セッション題目によって変わりますが)5年以上の業務歴がある人を目安にしていました。

業務歴が重要な理由は、業界をどれだけ俯瞰的に理解しているか推し測る目安になるからです。たとえば、2018年頃からSEOの仕事をしている人が、2022年8月に発表されたヘルプフルコンテンツアップデートの背景や歴史的意義について詳細を説明することは困難でしょう。

Google Search Console や SEMrushの使い方といったツール活用関連であれば業務歴は関係ないので無視します。大規模サイトのSEO運用に関することなら3年くらいの経験があれば(その担当サイトを語るうえでは)十分でしょう。このあたりは参加したいセッションと照らし合わせて判断します。

なお、SEOの業務経験数と能力は必ずしも一致しない点にも注意が必要です。たとえばSEO歴15年といっても外部リンク構築の知識しかない人やキーワードからコンテンツ制作する能力しか持たない人も混ざるためです。

したがって、年数に加えて次の職務も参照します。

業務歴(職務内容)

SEOの業界歴だけだと騙される可能性があるので、職務内容もあわせて確認します。たとえばオーガニックグロース全般(検索、ソーシャルなどオーガニックチャネル全体を担当する人)のキャリアを持つスピーカーであれば、マーケティング施策全般の話題であればきっと有用な学びが得られるでしょう。New York Times や Washington Post のSEO担当が登壇するのであれば、同じニュースメディア運営の方なら参加して、ついでに質問などできたらきっと学びが深いでしょう。

講演終了後に質問をする前提で、もし自分と同業界・同領域のスピーカーがいたら積極的に参加することを検討します。

悩ましいのは、自分とまったく違う領域の扱いです。異なる業界のベストプラクティスだからこそ新たな視点や気づきを得られるケースもあります。一方で、業界構造が違いすぎて業務の参考にはならないということもあります。このあたりは単純に個人の興味で決めてしまえばいいと思います。私は業界全体を幅広く知りたいタイプなので、ニッチ過ぎて将来知識を使う場面がなさそうな話題のものでも興味があれば参加していました。

基本的に避けたほうがいいタイプの登壇者は「外部リンクの販売業者」「SEOドリブンなコンテンツ作成が主業務」「アフィリエイター系」です。いずれも視野が異常に狭く隣接領域の知識がないのが共通点です。過度な部分最適になりがちです。

直近の講演内容とスライド資料

SlideShare等で過去の講演資料を公開していたら直近半年~1年程度のものを確認します。直近の資料を見たら、どんな内容をどんな視点で語るタイプの人か判断できます。自分に合っていそうなら聴講する判断材料となりますし、合わないそうならスルーすればいいのです。

講演者の日常業務と自分との相性

先述の通り、講演者の日常業務と、参加する皆さんの日常業務の規模や程度があっていなければ期待することが学べない可能性があります。過去、私は何度もこの問題で失敗したことがあるので、みなさんには同じ過ちを繰り返して欲しくありません。

みなさんがヤフーや楽天、リクルートといった大規模サイトのSEO業務を行っているのであれば、中小企業向けの業務を主とする個人コンサルタントやデジタルエージェンシーの話は、役立つ・役立たないのではなくつまらなく感じると思います。逆にアフィリエイターや個人事業主の方が大手企業のインハウスSEO担当者の話を聴いても不満が募るだけで終わること間違いなしです。

AMA (Ask Me Anything)系のセッションであれば、登壇者が幅広い知識と経験を有しているか確認をします。個人的には、Google社員が同席するAMAは避けたほうがいいと思います。Google社員がいるAMAは初歩的な質問が集中してつまらないからです。

基本的には、インハウスSEO担当者、エージェンシー、コンサルタントとバランスがとれているAMAか、最初から初心者お断りの雰囲気を出しているAMAを選ぶことを進めます。

逆に、おかしな人選をしているAMAは避けましょう。過去、あるAMA系セッションに登壇した1人が有料リンク販売業者だったのですが(2019年)、彼は一言も話しませんでした。有料リンクの張り方しか知らないからオーディエンスからの質問に何一つコメントできなかったのです。ちなみに同AMAセッションにはSEO界の重鎮も同時に登壇しており、彼がほとんど全部回答してました。他の4人いらないじゃん。

ローカルSEO系であれば、Google担当者が登壇するセッションは大抵問題ありません。

直近のTwitter内容や執筆記事の内容

もし登壇者のTwitterやブログサイト、寄稿先メディアがあれば最近の記事を確認します。おおよその専門性や知識レベルを推し量れるので、セッション可否の判断ができます。

定期開催カンファレンスなら評判チェック

定期的に開催されているカンファレンスであれば、Twitterなどで前回開催時の評判を確認します。もし参加者の多くがTwitterで積極的に発信・共有している場合は、当時のやりとりから役立ちそうか判断できるかもしれません。

残念ながらこの方法は万能ではありません。イベントによってソーシャルメディアに投稿する人がいません(禁止されているのではなく単純にそういう人がいないことがある)。シェアの数とカンファレンスの有用度は何ら関係ありません。

カンファレンスの規模と登壇者の傾向

SEO系の場合、カンファレンスの規模が大きい、参加者数が多くなるほど初心者向けにレベル調整されます。一方、参加者数を何らかの条件で絞っている場合、その参加者に適した難易度に調整されます。

つまり、中級以上や尖った内容を求めるならクローズドで開催される小規模イベントのほうが楽しめると思います。

逆に、基本的事柄を学びたいなら素直に有名どころを選んだほうが安全です。ただし、初歩的なことを学ぶために海外出張する意味(あるいは有料イベントに申し込む意味)が本当にあるのか検討しなければなりません。基本事項なら日本国内で十二分に学ぶ機会があります。

上級者ほど小規模イベントの方が楽しいかもしれない

長年開催されていて有名ながら近年はつまらないと言われている代表例がSMX (Search Marketing Expo)です。日本からの参加者が比較的多い同イベントですが、私はもう10年近く参加していません。

2000年代からSMXに参加している方ならわかると思いますが、SEOサイドのスピーカーも参加者もがらりと変わってしまいました。2000年代はGoogle検索の発表の場としての位置づけがありGoogle社員とコミュニケーションがとれる場としての価値がありましたが、近年はそういう場ではなくなりました。参加者が増えれば初心者配慮は仕方ないのですが、SEOで初心者向けとなると内容は代わり映えしないセッションが設置されがちです。

私の個人的経験で述べると、上級者向けのものを求めるのであれば(訪問する都市の)地元の勉強会や、小規模カンファレンスに参加した方が得るものがたくさんあると思います。あるいは、米国以外の都市開催で世界中から人が集まるタイプのイベントです。

こうした小規模なイベント(勉強会的なもの)はFacebookやDiscord などのオンラインコミュニティで見つけられます。クローズドな場ゆえに共有してもらえる話もたくさんありますので、上級者の方でも楽しめるでしょう。ただし相応の英語力は必要です。

登壇者の傾向を探る

カンファレンスによって「お友達同士の登壇の場」となっている場があります。経験上、このタイプは高確率で楽しめないイベントです。近年のSMXがまさにそうなっています。比較的大きめのイベントはこのパターンがあります。

登壇者一覧を見て、所属企業は職種の多様性を確認することを進めます。いろいろなタイプの登壇者がいるところは、きっと話をしてみたいスピーカーも見つかると思うのでネットワーキングなどの時間でお話すれば有意義な時間になるでしょう。

Google社員の有無

Googleからの登壇者の有無は、そのカンファレンスの楽しさを推し測る指標となります。Google社員が登壇する場合、良くも悪くも「お行儀のよい」イベントになりがちです。Googleもウェブスパムを積極的に推奨する場に社員を登壇させたくないわけで、すなわち、その社員がいるということは全体の内容が安定していることを意味します。

逆に、Google社員が登壇しないイベントは意図的に講演依頼をしていない場合があります。つまり、尖った内容のセッションをラインアップしたいからGoogleやBingの担当者を呼ばないことがあります。上級者向けのイベントでは仕様が公開されているテクニカルな話題のみGoogle社員に話させるパターンも見かけます。

経験上、Google社員がいないイベントはカオスな内容で当たり外れが大きくなりがちですが、逆に楽しめる側面もあります。本記事最後に紹介する Chiang Mai SEO Conference はまさにその好例です。

 

参加経験があるカンファレンスと所感

私が過去に参加した経験があるカンファレンスを紹介していきます。順番に意味はありません。

Chiang Mai SEO Conference

chiangmaiseoconference.com対象:中級~上級者向け

英語レベル:上級(ネットワーキングが多いことに加えて会場を歩いているだけで話かけられることも多いため)

タイで毎年開催されているSEOのイベントです。欧米以外では最大規模のSEO系カンファレンスです。コロナ禍以降は開催が中止されていますが、毎年11月頃に開催されています。欧州の人たちの休暇時期にあたるためか、Tシャツとサンダルでイベントに参加してくる人もちらほらいます。

同イベント開催の前週夜に毎日、スピーカーが小規模な勉強会を近所の飲食店等で開催します(無料)。参加するなら1週間前入りでイベント終了まで滞在するとよいでしょう。

内容はカオスです。セッションの品質管理がされていないので、初心者向けから超上級者まで内容のばらつきが大きいです。私が参加したときは、欧州の大手有料リンク業者が登壇して、Googleに見つからない外部リンクの張り方を説明していました。一方で、著名YouTuberによる動画SEOの話や、強調スニペットの最適化手法など有用な話もたくさんありました。また、現地で知り合ったカナダのNGO勤務の検索担当者は、あるセッションで「検索順位を上げたければ1週間あたり50本記事を作って公開しなさい」とアドバイスされたそうで、「そんな非現実的なこと言われても!」とちょっとキレてました。

アットホーム的なところがあるので、隣に座った人と話す機会も多いです。非英語ネイティブも多いので下手くそでも意思疎通できますが、世界中のさまざまな立場の人が集まっているので英語話せる人の方がきっと楽しめます。

MozCon

moz.com対象:全般

英語レベル:人との会話を避けられるなら聞く・読むができればなんとか

MozCon は毎年7月前後に開催される、Moz主催のデジタルマーケ系(SEO多め)のカンファレンスです。毎年300~500人前後が参加しています。

ブレイクアウトセッションがありません。主催社側が登壇者を選定しているので「ハズレ」は少ないイベントですが、どうしても興味のないセッションが始まったときは外出して休憩するといいでしょう。

直近はどうなっているか知りませんが、MozCon はデスクと有線LANを用意してくれるので、大規模イベントでありがちな「ネットワークが繋がらない、遅い」問題がありません。

内容は初心者から上級者までラインアップを取りそろえていますしトピックも多岐にわたるので、基本的に誰にでもお勧めできます。

SEJ eSummit

www.searchenginejournal.com

対象:全般

英語レベル:話す必要はないので、リスニング能力があれば。

Search Engine Journal 主催のオンラインイベントです。定期開催されています。無料です。

オンライン開催、さまざまなトピックのセッションが用意されている、しかも無料なので、基本的に興味があるセッションだけ参加するのがお勧めです。内容はばらつきが激しいので、最初の10分聴いてつまらないと思ったらさっさと退出しましょう。個人的には、グローバル企業のデジタルマーケティング担当者の話であれば大抵学びがあると思います。

注意点は、(SEJ eSummitに限らず)無料のオンラインイベントはたいした動機もなく参加する人も多いためか、チャットが荒れがちです。私が参加したときは、ある方のセッション中、チャットでは特定人物の悪口を延々と言い合っているログが流れて大変不愉快でした。私以外の人も主催者にクレームしたようですが、改善されません。

SMX (Search Marketing Expo)

marketinglandevents.com対象:全般

英語レベル:ネットワーキング参加して楽しみたいなら英語上級

SEO系でもっとも著名なイベントがSMXです。

2000年代は、SMXはMatt Cutts氏などGoogle社員と直接会話ができる貴重な場でした。また、Googleも検索に関連する新発表をこの場で行っていた関係でイベント規模が大きくなったのです。ただし近年はGoogle I/O をはじめGoogle社員に直接質問できる場が増えて、発表の場ではなくなりました。だから世間的に言われているほど価値があるイベントではなくなっています。

2022年現在は、一般レベルのSMX Next と一応上級向けのSMX Advancedがあります。どちらも1回は参加してもいいと思いますが、毎回参加する必要はないと思います。初心者配慮の傾向が強く、毎回似たり寄ったりのセッションで構成されているためです。

SEO関係者からの不満も多かったのか、数年前にセッション構成が刷新されています。個人的には、特にダニー・サリバン氏が抜けたあとのSMXは「主催者のおともだち」のレベルが低い登壇者が増えてしまったので興味はありません。

Web Summit

websummit.com対象:全般

英語レベル:人と話さずに過ごせるイベントなので、聴く・読むさえできれば可。

Web Summit はデジタル全般を扱うカンファレンスです。毎月、米国の都市で開催されています。特定の領域のことを学びたい人にはお勧めしませんが、デジタルマーケティング全般を学びたい人には良いイベントです。オンラインで過去のイベント全て視聴できる有料チケットがあるので現地に行く必要はありません。ただし、絶対に面白いに違いないセッションに限ってVOD非公開だったりして少しイラッとします。

Pubcon

www.pubcon.com対象:全般

英語レベル:リスニング

2020年に初めてオンライン参加しました。現地参加経験はないため、会場の様子などを知りたい方は参加経験者にお尋ねください。

SMX同様、かつては Matt Cutts氏をはじめとするGoogle社員との交流する場としての要素がありましたが、現在はその付加価値はありません。SEO領域で幅広く勉強したい人には良いかもしれませんが、毎年参加する必要があるかと言われると個人的には疑問です。

Unbounce Call-to-Action Conference

calltoactionconference.unbounce.com対象:初心者向けとは言わない

英語レベル:人と話さず過ごせるので聴く・読むができれば可

CRO (Conversion Rate Optimization) の業務に携わっている人、SEOパフォーマンス改善の一環としてCROを学びたい人にはおすすめのイベントです。毎年参加する必要はありませんが一度は参加するときっと学びがあります。

本イベントに加えて前日にオプションのセッションが1日開催されます。深く学びたい人はそちらもあわせて参加するといいでしょう。私はそのオプションと本イベントすべて参加しました。

毎年9月に開催されますが、コロナ禍以降はキャンセルが続いています。

Content Marketing World

www.contentmarketingworld.com

対象:全般
英語レベル:高いほうがきっと楽しめる

コンテンツマーケティング系の世界最大のイベント Content Marketing Worldです。毎年9月にクリーブランドで開催されます。コンテンツマーケティング業界の動向も追えますし、実務で役立つさまざまなコンテンツマーケティングのフレームワークを学ぶことができます。全3日間でバラエティに富むブレイクアウトセッションが用意されているうえ、後日オンラインで参加できなかったセッションも視聴出来ます(要対応するチケットの購入)。開催前日のワークショップは知識整理をしたい初心者におすすめ。

特にSEO関係のお仕事されている方で、キーワードからコンテンツを作ることに疑問を感じている人、うんざりしている人、本来あるべきコンテンツ戦略のやり方を学びたい方には参加を強くお勧めします。

ContentTECH

content.tech

対象:全般

英語レベル:聴くことができれば何とかなる

Informa主催のコンテンツテックのイベント。テックと名の通り、技術系のセッションやワークショップが多めです。私は海外出張のついでに暇つぶしで2回参加したことがあるのですが、正直、Content Marketing World で十分網羅できているので、日本から参加する意義は少ないと思います。

Content Marketing Conference

www.contentmarketingconference.com対象:全般(初心者より)

英語レベル:リスニング

Rock Content主催のコンテンツマーケティング系のカンファレンス。何かのついでに参加したことがありますが、Content Marketing World で十分です。参加費が安いうえインターネットからライブ視聴できるので現地に行く必要がないのは利点です。

SearchLove

www.distilled.net対象:全般

英語レベル:リスニング

コンサルティング会社Distilled 主催の定期イベントです。SEO系のセッションが多めです。ロンドン、サンディエゴ、フィラデルフィアで開催されています。

日本から参加する場合は現地に行くよりも、オンライン視聴チケットを購入して好きなセッションだけ視聴するスタイルを推奨します。理由は、セッションの当たり外れが激しいためです。

TechSEO Boost

www.catalystdigital.com対象:上級者

英語レベル:上級

米Catalyst主催のTechSEO Boost。個人的に好きなイベントのひとつです。毎年ボストンで開催されていますがインターネットでライブ中継されます。名前の通り テクニカル系のSEOを主に扱います。登壇者が他イベントと被らないこと、ある程度の業務経験を持つか、デジタルマーケティングに関する深い知見を持っている人が多いので、それなりに深掘りしたお話が聞けます。

参加者に考えさせるタイプの講演も多く、目先のテクニックを学びたい方にはまったくお勧めしません。自分で普段から課題意識を持っており、その課題を考えるための新たな視点や考え方を身につけたい方向けです。その意味で上級者よりのイベントと言えます。

SEO Day

www.seo-day.de対象:中級~上級

英語レベル:訛りのある英語のリスニングができないとつらいかもしれない

英語・スペイン語・ポルトガル語の3言語対応という珍しいSEO専門のイベントです。何年か前に関係者に誘われて参加するようになりました。オンラインでライブ中継しています。セッションの品質はピンキリなので現地に足を運ぶほどの価値はありません。オンラインで興味のあるセッションだけ視聴すれば十分です。

DeepSEO

deepseoconference.com対象:中級~上級

英語レベル:リスニング

名前の通りSEO特化のイベントです。オンラインで視聴出来ます。万人向けではありません。私も昨年、深夜にBGM代わりに音声流していただけなのでなんとも評価できません。

 

最後に

新型コロナ感染拡大以降、オンライン開催か、現地+オンラインの両方で開催するイベントが増えました。今までなら時間や渡航費等の都合で参加出来なかったイベントのセッションも聴講しやすくなっています。幸いにも無料のものも多いので、気になるものがあれば参加登録してみるといいでしょう。

 

 

 

 

*1:私の経験上、SEO系のセッションはスピーカーの能力不足により根本的な誤りを前提として話が進んでしまうものが比較的多い

*2:最初に積極的に質問する人がいたり、その質問が初歩的な質問だと続いて質問する人が出てくるんですが、この雰囲気を作ると質問が出てくるのは日本らしいですよね

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