Google の検索エンジン対策はいろんなホームページに情報が載っているのですが、infoseek への対策も考えています。infoseek 対策としてはどのような対策が有効なのでしょうか。
(質問者:匿名)
日本でも SEO が知られるようになってから、あちこちのウェブサイトでSEOをテーマにしたウェブサイトが登場しました。私が日本でSEOを始めた1997年にはSEOはおろか検索エンジンからのアクセスアップをテーマとしたウェブサイトすら存在しなかったのですから、大きな変化です。
さて、日本のサイトを運営するウェブマスターの皆さんが検索エンジン対策を行おうとすると、まっさきに対策したくなるのが Google であるはずです。これは検索エンジンのトラフィックシェアが Google/Yahoo!JAPAN に偏っている日本の検索市場に理由があります。つまり、Google/Yahoo!JAPAN でおよそ8割の検索エンジン経由のトラフィックを占有しているのですから、より多くの顧客を誘導するためにはシェアの高い検索エンジンを優先して対策を施した方がコストパフォーマンスも良くなります。
とはいえ、残りのおよそ20% を占める MSN や goo、infoseek といった検索エンジンからも集客を行いたいと考える方もいらっしゃるでしょう。特に goo や infoseek といった、古くからインターネットを利用しているユーザーに利用者が多い検索ポータルサイトの場合、会社によってはこのユーザー層をターゲットにしたいと考えているところもあるからです。例えば就職・転職サイトがSEをターゲットにする為に infoseek & goo からのトラフィックを誘導したい場合等です。
あるいは MSN のように IE のデフォルトホームページに設定されているなどの要因である程度のユーザー数がいる検索ポータルもはずせないわけです。
ちょっと前置きが長くなりましたが、さて infoseek 対策はどうあるべきか。
結論からいいますと、Google の対策を行っている方であれば特別考える必要はありません。誤解のないようにいうと、現在 Google 対策を行っている方であれば、特別 infoseek のことも考えなくてもいい、ということです。
infoseek は今年の2月に新しい検索システム、「マルチ・プロセス・スコアリング」と呼ばれるものを導入しました。これはネット上のリンク構造を活用してウェブページの評価をする、つまり評価対象となるページに対してリンクを張っているページも評価対象として総合的に検索キーワードに対して適合度の高いウェブページを出すシステムです。要はWWWのリンク構造を活用してウェブページを評価するわけで、簡単にいってしまえば Google や inktomi が採用しているリンク評価システムと同様なわけです。
また、タイトルタグ <title> タグや <h1>, <h2>... のヘッドラインタグ、<b> や <strong> タグが重視されるといった要素も他の最近の検索エンジンと基本的に変わりありません。
一昔前の infoseek は無関係なキーワードによる上位表示や JavaScript 転送といったスパマーたちの”攻撃”に対して非常に脆弱な - 検索結果の質を落としてしまう - システムでした。そういった問題を除去し同時に検索エンジンのクオリティを上げるために新たに開発・搭載されたのが 「マルチ・プロセス・スコアリング」だったりするわけです。
そんなわけで、特別 infoseek 対策を施そうという努力は不要です。
ちなみに、一昔前 - 1998〜2000年頃は、確かにいわゆる「infoseek対策」というものはありました。これは infoseek の検索システムがあまり優れていなかった故に(他の検索エンジンで同じことをすればスパムと判定される恐れがあるような)対策方法は色々ありました。例えば JavaScript 転送や、<title>タグにキーワードをいくつも並べる、<H1> タグを多用する、などですね。当然ですがこんな手法はいまや通用しません。
なお、未だに infoseek = META タグ対策をすればよい、と思っていらっしゃる方がいるようです。実際 infoseek のサイト登録案内を見てもそのような旨が記述されているのですが、実際のところほとんど意味はありません。あの記述は 1990年代からありましたが、今の infoseek は単純に META タグの中身だけでウェブページの評価をしませんので、気休めにもなりません。META タグ記述はないよりまし、程度に考えてください。
回答: 渡辺 隆広
★ みなさんからのSEM/SEOに関する様々な疑問・質問にお答えします。質問は随時受付中です。