Googleサーチクオリティ・チームも参加する、先日ロンドンで開催されたウェブマスター向けのイベント、サイトクリニックで紹介された検索エンジン最適化(SEO)についてのアドバイスが同社公式ブログで共有されている。
要約すると次の通り。
- タイトルタグやメタディスクリプションタグはGoogle検索結果のビジビリティを改善する簡単な方法。しかしウェブマスターの中にはまだ十分にこれらを活用できていないケースがある。
- Googlerの検索アルゴリズムがコンテンツのコンテクストを判定する方法の1つは、コンテンツの見出しだ。h1やh2、h3といったタグを使ったセマンティックマークアップは、サイトコンテンツの優先順位を理解するのに役立つ
- コンテンツの論理構造も大切だが、サイト全体の情報構造(structure)も大切。サイト内において関連するページ同士はリンクをするとかね。
- 複製・重複コンテンツ(duplicate content)や正規化(canonicalization)の問題は、サイトクリニックでもたくさん議論された。一般的に重複コンテンツは問題とはならないが、検索エンジンにとってはどのページを優先してインデックスすべきか判断することを難しくする。301リダイレクトで優先すべきページにリダイレクトをするか、あるいは rel=”canonical”要素をもちいるかをしてほしい。
- ページが存在しない時にもHTTPコード200を返すサイトがあるがやめて欲しい。ページが存在しない場合は、ハードエラーで404(404 Not Found)を返すこと。
- 検索クエリのミススペル(打ち間違い)を意識することは重要。しかし、CSSやJavaScriptなどを使った隠しテキストでそれらのキーワード対応することはやめて。Googleの検索ガイドラインに違反するよ。
- ユーザは速いウェブを好む
解説。1つ目のタイトル要素やMETA description要素の重要性については今更説明するまでもないでしょう。META descriptionについては時折、検索エンジンがランキングで評価するか否かという不毛な議論をしている場面をよく見かけますが、検索技術、あるいはウェブ技術に汎用的に対応するウェブを構築するためにdescriptionを入れると考えておけば判断に迷うことはないでしょう。あるいはサイト内検索システムでは利用されるケースはあるので(※ 自社サイト内の検索エンジンに対してスパムを行う管理者はいない=META要素の説明は正しい(はず))、検索しやすいように適切にページ概要を入れておきましょう。
2つ目。ページのマークアップにおける論理構造の整理については、過去に書籍や雑誌のコラムなどで繰り返し説明してきたことなので、知りたいという方は(宣伝になり恐縮ですが)私の著書を参考にしてください。
3つ目。サイト全体のアーキテクチャの話、これは特に欧米でSEOの経験を積まれてきた方にとっては半ば常識的な話かと思いますが、検索エンジンフレンドリーなサイト構築において最も重要な要素の1つといっていいでしょう。過去の日本ローカルな検索エンジンの大半は主にウェブページ単位を主体として検索ランキングのスコアリングを行っていますが、Googleはサイト内のウェブグラフや情報のつながりも参照してキーワードとウェブページの関連性を判定します。IA(情報アーキテクチャ)が悪いサイトは、ユーザにとっても情報は探しがたい、つまりクローラにとっても情報の判定が難しいのです。言い換えれば、ユーザにとって探しやすい、ユーザビリティが高いサイトは、同じく検索エンジンにとっても優しい、検索しやすいサイトなのです。SEOは外部リンクがすべてだと思っている方は4月という新学期を迎えたこの機会に改めて勉強してみてはいかがでしょうか。この項目についても詳細は過去の私の著書でデパートのたとえ話などを使って説明していますのでそちらを参照くださいませ。
4つ目。重複コンテンツや正規化問題については、ちょうど今、MarkeZineさんの連載コラムで書いていますので、そちらを参照してください。あるいは、同じコンテンツの公開に注意:SEO「重複コンテンツ」問題、コピペサイトの対処法、コンテンツシンジケーションにおける検索エンジンの情報扱いとSEOの注意点などの記事もあります。あるいは、私が外部の会場で講演やセミナーを行う場合(特にSEOのテクニカルな話題を扱う場合は)こうした問題のスマートな対処法などについても細かく説明していますので、機会があればご参加ください。
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