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リンクレピュテーションとは

リンクレピュテーションとは、リンク元サイトのアンカーテキスト部分の情報を元にリンク先ページの内容を判断しようというアルゴリズム概念です。

 リンクレピュテーション ( Link Reputation )についての解説です。

 「リンクレピュテーション」という言葉を初めて聞く方も多いと思いますが、リンクレピュテーションとは「他のWebページがあなたのWebページの事を何と表現しているのか」を分析する概念です。あなたのWebページをページAとし、他のあるWebページをページBとした時、ページBからページAに張られているリンクのアンカーテキストの内容を基に、ページBがページAの事を何と表現しているのかを判断するのです。例えば、ページBからページAに対してリンクが張られていたとします。そしてこのページBから張られたリンクのアンカーテキスト部分が次のようになっていたとします。

<a href="サイトAへのURL>化粧品販売</a>

 アンカーテキストが「化粧品販売」となっています。この時ロボット型検索エンジンはページAと「化粧品販売」という言葉を関連づけるのです。

 つまり、通常あるWebページから別のWebページにリンクが張られる時、そのリンクの張られたテキスト文字 - アンカーテキストはリンク先Webページの内容を示す言葉が含まれるものです。例えば「○○商品に関するお問い合わせはこちらから」という言葉がハイパーリンクになっていれば、このリンク先の内容は「○○商品のお問い合わせ先が書いてあるページ」になるはずです。あるいはニュースサイト、例えば asahi.com のページを見て下さい。その日の各ジャンルのヘッダーがハイパーリンクになっていますが、それをクリックすると見出しニュースの詳細ページにリンクされているはずです。つまり見出しはリンク先ニュース記事の要約したものであり、ニュース記事の重要な情報がアンカーテキストに含まれています。

 これらの例からわかるように、あるページから別のページにリンクが張られたとき、リンク元ページのアンカーテキストはリンク先ページの内容を示す重要な言葉や関連性の高いキーワードが含まれているため、ロボット型検索エンジンはあるWebページの評価を決定するにあたってその評価対象ページに対して張られるリンク内のアンカーテキスト情報を分析するのです。特定のWebページを評価する際に回りの声(=アンカーテキスト)を用いる事から「リンクレピュテーション」(※ レピュテーション = reputation = 名声)と呼ばれます。

 リンクレピュテーションという概念を用いる事で検索エンジンはキーワードとWebページとの関連性評価を的確に行うと共に検索結果精度を高める事が可能です。従来の検索エンジンのWebページ評価手法である、評価対象ページ内に存在する情報(ページ内要因、on-page-factors)で判断しようとすると、どうしても悪意を持って検索エンジンの上位に表示させようとするスパマーを排除するのが難しくなります。一方リンクレピュテーションという評価対象ページの外にある要素 - ページ外要因(off-page-factors)であるアンカーテキストの文字という非常に客観性が保たれていると推定される要因を利用してWebページの内容を判断することでスパムを排除する事ができるからです。

リンクレピュテーションは、Google や WiseNut、Teoma, Inktomi といったロボット型検索エンジンで採用されています。ただし同じリンクレピュテーションでもその実装方法には違いがありますし他の評価方法が異なりますので検索結果も大きく異なります。

 リンクレピュテーションの概念について説明をしましたが、これは同じリンク解析を行う「リンクポピュラリティー」と何処が違うのでしょうか。リンクポピュラリティーというのは基本的に被リンクの数によって判断をします。ただ、リンク元Webサイトが評価の高いサイトであれば、1つのリンクの質が高く評価されるというものです。リンクレピュテーションはその概念を一歩進めてアンカーテキスト文字の情報やそのリンク元ページの内容を元にリンク先ページが何についてのサイトなのかを判断しようというものです。

( 2003/02/12 執筆 / 2003/09/25 改訂 / 渡辺隆広)

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