米国のPPCプロバイダー Kanoodle がコンテンツターゲット広告市場に進出、Google や Yahoo! と直接対決しようとしている。
コンテンツターゲット広告は、Webページの内容に関連のあるテキスト広告を表示するタイプの広告です。例えばプロ野球の観戦チケットの販売広告を、今日のプロ野球の試合結果のページに掲載するといった具合です。Kanoodle が進出して Google、Yahoo! と直接競争しようとするのはこの分野。ペイパークリック広告では2番手に甘んじている Kanoodle がコンテンツターゲット広告で挽回しようというわけです。
実際 Kanoodle は既にいくつも手を打ってきており、Primedia Inc. が Google に10月に売却したコンテンツターゲット広告事業を行っていた米Sprinks から3人の幹部を引き抜いた上、新しい事務所を広告代理店があるマンハッタンに開設、さらにベンチャーキャピタル米Insight Venture Partnersからの出資額を増やしています。この出資額の金額がどれほどかは明らかにされていませんが、Primedia にてかつて Sprinks が手にした金額よりは大きいと言われます。
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解説。
Kanoodle にはこのコンテンツターゲット広告市場での競争に勝算があります。第1に Kanoodle は Sprinks 式のコンテンツターゲット広告を立ち上げること。Google は Sprinks から広告主と広告掲載場所を獲得したものの、Sprinks 独自のアプローチは踏襲されていません。この「独自のアプローチ」とは、Google はアドワーズ広告のリーチ拡大の一環としてコンテンツターゲット広告エリアに進出している上、この広告の掲載場所についてはすべてコンピューターアルゴリズムによって処理しようとしています。これに対して Kanoodle は かつでの Sprinks のように広告と、それを掲載する場所の調整作業を完全に分離している点です。この調整作業は専門のエディターが行います。これにより広告の内容とそれを掲載する場所の整合性を取るわけです。
第2の勝算として、既に多くの広告主が利用し、そして主要ポータルも軒並みどこかの PPCプロバイダーと契約していることで新規顧客/新規パートナー獲得が困難なPPC広告(キーワードターゲット広告)と比較して、コンテンツターゲット広告ではまだまだ新規顧客の獲得、新規パートナーの獲得の余地が残っている点です。例えば無料ホームページスペースを提供している会社やデジタルコンテンツ出版社などにコンテンツターゲット広告を売り込む余地が残っているわけです。Google や Yahoo! に先駆けてこれらの新規提携パートナーを獲得すると共に広告主を獲得できれば、競合他社と勝負できる可能性があるわけです。
Kanoodle.com Inc., a closely held paid-search advertising company, said it will compete with industry leaders Google Inc. and Yahoo Inc. in the burgeoning business of supplying pay-per-click text advertisements to Web publishers.
Kanoodle Looks to Battle Google in Sale of Contextual Advertising [WSJ.com]