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AlltheWeb SEO 対策 - (III) トピック分類(クラスター)について

AlltheWeb SEO対策第3回目。AlltheWeb のトピック分類機能について。

検索エンジン AlltheWeb のSEO対策、第3回目。前回少しふれた検索結果のクラスターについて解説。

まず実際に例をお見せします。AlltheWeb にてキーワード「広告」にて検索をしてみて下さい。検索結果画面を一番下までスクロールさせると、以下のような表示が見えます。

alltheweb-01.gif

今度はキーワード「検索エンジン」で検索します。すると画面下に次のような表示が。

alltheweb-02.gif

さらにもう1つ例を。今度は「PlayStation 2」で検索した場合です。

alltheweb-04.gif

上記3つの画面に出ている Clusters というのが AlltheWeb のクラスター機能です。クラスターとは「分類」という意味です。AlltheWeb は検索キーワードに合致したWebページについて、それをトピック・テーマに分類して束ねて、それを1つのカテゴリーとして表示する機能を持っているのです。

例えば3つ目の例、PlayStation 2をご覧下さい。キーワードとして「PlayStation 2」を使った時、このキーワードを含む文書の中には「PlayStation 2 のゲームに関する情報を扱ったページ」や「PlayStation 2 本体そのものについて語ったページ」「PlayStation 2 の周辺機器に関する情報を扱ったページ」など、同じ PlayStation 2 でもそのトピックは多種にわたるはずです。そこで AlltheWeb は、PlayStation 2 というキーワードに合致した各々のページ情報を分析して分類、その分類をトピック別にリンクとして表示したわけです。

AlltheWeb はこの分類について2つのアプローチを取っています。1つは、Open Directory Project (ODP) のカテゴリー分類情報を活用しています。もし検索キーワードが ODP のカテゴリーと一致する場合は、当該カテゴリーへのリンクをトピックとして表示します。一番最初にあげたキーワード「広告」に対してクラスター「広告, インターネット, 情報産業 (17) 」と表示されていますが、これは ODP に存在するカテゴリーです。従ってこれをクリックすると ODP の当該カテゴリー内のページが表示されます。

2つ目の例としてあげた「検索エンジン」も同様で、クラスターに「ディレクトリ, ホームページ検索, www (3) 」とありますが、これも ODP で検索キーワードと一致するカテゴリーが存在したためここに表示されています。

もし検索キーワードと合致するODPカテゴリーが存在しなかった場合、AlltheWeb は2つ目のアプローチを取ります。キーワードに合致した最初の200件のWebページ情報から文書の類似性を把握、同様の話題を扱っているWebページをまとめて分類し、それをトピック表示します。この分類を補助するために ODP の分類方法も用います。分類作業はリアルタイムで処理され、表示するカテゴリー名称も自動的につけられます。3つ目の例であげた PlayStation2 は ODP に同一名称が存在しなかったものです。ここに表示されている分類およびその名称はすべてリアルタイムで処理、コンピュータが名称をつけています。

このAlltheWeb に実装されたカテゴリー分類機能は、特に目的とする情報を効率よく探すためのキーワードがわからない時、あるいはそれを知らない検索スキルの低い人たちにとって有用な機能です。AlltheWeb によってあらかじめ分類されたカテゴリーをクリックしていけば、目的とする情報がより絞り込まれていくからです。キーワードを考えずとも自分が必要とする情報に関連したカテゴリーをクリックするだけで不必要な情報を取り除き、ほしい情報に絞り込まれた検索結果を目にすることができます。

検索エンジンで上手に情報を探すのに難しいのがキーワードの選び方です。検索するのがうまい人たちはキーワードの選び方も上手なため、最初からある程度の絞り込みができています。でも下手な人はそれができませんし、大半のユーザーはそういうものです。AlltheWeb はキーワードに合致したページを自動分類して表示してあげることで、検索者の情報探索をお手伝いしてくれるわけですね。

ちなみに AlltheWeb のクラスタリングはベータ版です。help ページによると理由は2つあって、1つは ODP のカテゴリー名称が長すぎるので手動で編集をしなければいけないこと、もう1つは時々辞書が不完全なためにおかしなカテゴリー名称がつけられるためです。さらに、日本語のカタカナ表示ができないことも付け加えておきましょう。

以上が AlltheWeb の特徴、クラスターでした。Yahoo!が AlltheWeb の機能の一部を取り入れるなら、このクラスターは使われるかもしれませんね。

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AlltheWeb SEO 対策 - (I) AlltheWeb って何?

AlltheWeb SEO 対策 - (II) AlltheWeb の基本機能

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