ポップアップブロッカーとは、ユーザーがWebサイトにアクセスした時に勝手に開かれるウインドウを自動的に閉じる機能です。
ポップアップブロッカー
世の中のWebサイトには広告掲載により収益を得ているWebサイトは少なくありません。そんなサイトの中には、ユーザーへの露出度を上げる、注意を引きつけるためにユーザーの意志とは無関係に、任意のページにアクセスした時に広告だけが表示されるウインドウを勝手に開いて、ユーザーが見ていたWebページの上にかぶさるように表示することが少なくありません。1つならまだしも、同時に3つも4つもウインドウを開いてくるサイトはユーザー側から見るとうっとうしいわけです。
こういった、ポップアップ広告の増加とそれに対するユーザーの嫌悪感を察して、それらポップアップを自動的にブロックする機能がツールバーに搭載されるようになったわけです。ツールバー配布側の立場としても、ツールバーへの搭載によりそのツールの有益性も高まりますし、結果インストールユーザー数も増加させることもできます。
このポップアップブロッカー、またはポップアップ広告遮断など同様の機能を搭載するツールバーは、Googleツールバーの最新版をはじめ、Alexaツールバー(Popup Manager)、@niftyツールバー(ポップアップ広告ブロック)、AltaVista Toolbar、Yahoo! Companion Toolbar(Pop-Up Blocker) などがあります。各社からリリースされる最新版のツールバーには大抵、このポップアップブロッカーと同等の機能(ポップアップ広告遮断、など)が搭載されています。
ポップアップブロッカーの注意点
ポップアップブロッカーが登場したのはユーザーの意図に関わらず勝手に現れる新規ウインドウ上の広告という邪魔な存在を消し去るためです。しかしこの遮断ツールは「新規に表示されるウインドウは全て自動的に閉じる」機能を提供するのであって、「新規に表示されるウインドウ内のコンテンツは広告か否か」までを判定しているわけではありません。この新しいウインドウは広告だからブロックしよう、これは有益な情報そうだから遮断しないでおこうなどという高度な機能は搭載されていません。従って、ポップアップブロッカーは時としてユーザーに必要な、Webサイト運営側が必要があって表示する新規ウインドウを遮断してしまうこともあります。
その例が、新生銀行のケースです(参照記事:Google ツールバーでネットバンキング利用できず - 新生銀行)。新生銀行のログイン画面は新規にウインドウを表示する形式だったのですが、ポップアップブロッカーの機能を有効にしているとこれが表示されません。従ってネットバンキングが利用できなくなったという例です。他にもニュースサイト上に表示されている参照記事が開けない、ソフトウェアのインストールを進められないなど、ポップアップブロッカーがもたらす弊害もあります。
実際には一時的にポップアップブロッカー機能を停止することができます。例えば Googleツールバーであれば Ctrl キーを押しながら任意のリンクをクリックした時には、ポップアップブロッカーが無効になります。しかし大抵のユーザーはこの事実を知りません。
ポップアップウインドウの存在自体が認識されないことも
また、ユーザーが過去にアクセスして利用体験のあるWebサイトであれば、新規ウインドウがポップアップ遮断されているという事実を認識することができますが、初めて利用体験するWebサイトでは、本来必要とされる新規ウインドウが(ポップアップブロッカーによって)遮断されているという事実に気がつかない場合もあります。新生銀行の例でいえば、過去の利用体験から任意の場所をクリックすることで表示されていたログイン画面が、ある日を境にして表示されなくなったから、そのポップアップウインドウが遮断されていた事実に気がついたのです。もし、利用経験がない新しいWebサイトにポップアップブロッカーを有効にしたまま入ると、本来表示されるべきウインドウが表示されないしその事実にも気がつかないという問題も起こりえます。時としてWebサイトは重要な情報をポップアップで表示することがありますが、そういった情報をユーザー側は得られない可能性も出てきます。
こういった点を考えると、ユーザー側はWebサイトを利用していて本来働くべき機能が働いていない、画面表示によるとウインドウが表示されるはずなのにされないと気がついたら、ツールバーでポップアップを自動的に遮断していないかどうかを確認しましょう。また、Webサイト運営者側は上記のようなケースを想定して新規ウインドウを表示しないWeb設計を心がけるべきです。
[参考]
ポップアップブロッカー機能
Yaho! Companion Toolbarポップアップブロッカー機能
ポップアップ広告ブロック