SEMリサーチ

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検索の利便性強化に取り組むネイバー

検索エンジンの使い勝手向上に取り組んでいるネイバー(NAVER)のお話です。

ユーザーは「検索タブ」をクリックしない

ポータルや検索サイトの多くが、様々な種類の検索サービスを提供している。一般的にあるのが「ページ検索」「サイト検索」「イメージ検索」「サウンド検索」「音声検索」「ショッピング検索」「ニュース検索」だ。これらの複数の検索機能はたいてい、検索ボックスの上に「タブ」という形でまとめられている。

ところで、実際にこの検索タブをクリックして検索結果を切り替えているユーザーはどれだけいるだろうか?米Search Engine Watch の Danny Sullivan氏は「1%未満だ」と指摘している。つまり、誰もこんなタブを使いこなしていないわけだ。というか、そんな機能があることすら知らない、それが一般ユーザーの感覚だ。

デフォルトがページ検索は正しいのか?

この事実は、次のことを示唆している。どんなキーワードでも - 例えば「壁紙」「市川由衣」「小倉優子」「検索エンジン対策」「フィジー 海外旅行」 - etc. といったキーワード検索をする時にも、常にデフォルトの検索結果をユーザーが目にして、そこから情報を探しているということだ。つまり、大半の検索サイトのデフォルト - ページ検索から情報を探していることになる。

しかし、常にページ検索の結果を最優先で(デフォルトで)表示することが適切とは限らない。例えば検索キーワードが「Yahoo!BB 個人情報 流出」や「三菱 タイヤ脱輪」であればページ検索よりもニュース検索の結果を先に表示した方がユーザーにとって都合が良いだろう。キーワードが「小倉優子」や「市川由衣」だったら画像検索の結果を出した方が親切そうだ。また「江角マキコ 年金 CM」ならニュース検索やページ検索よりも動画検索の結果を出した方がいいかもしれない。

キーワードを認識する試み

検索エンジンに求められる理想的な姿は、キーワードの種類によってそのユーザーがどんなファイルタイプの情報を求めているのかを判断して、ユーザーが検索タブをクリックせずとも適切な検索結果を表示してくれることだ。例えば同じインターフェースにてキーワードを「Yahoo! BB 個人情報」とうてば Webページ結果を出して、「小倉優子」であれば画像検索の結果を出すといった具合だ。

でもこれは現状ではなかなか難しい。米国の検索エンジン Ask Jeeves はこれの試みを行っている。自然言語処理技術を組み合わせて、検索キーワードがコマース関連のものと判断されたら自動的に商品検索の結果を表示するというものだ。ユーザーがいちいちタブを切り替えずとも、検索エンジン側が検索クエリーの意図・ニーズを解釈してくれるというわけだ。でも、明らかに商品が欲しくて検索しているつもり(少なくとも検索者側はそう考えている)でもショッピングの検索がでなかったりして不便だ。

ネイバーの取り組み

検索の利便性を向上させうる代替手段はないだろうか、と探ってみると、「全ての検索結果を1ページ内に表示してしまう」という方法がある。つまり、1ページ内に「ページ検索」「サイト検索」「イメージ検索」「サウンド検索」「音声検索」「ショッピング検索」「ニュース検索」を全部表示してしまうというアプローチだ。これを実践している検索サイトがある。それが本コラムのタイトルにあげたネイバーだ。

ネイバーって何?検索エンジンなの?という方はいるかもしれないが、ネイバーは韓国では有名な検索ポータルだ。日本では今のところぱっとしないが、検索機能の強化や取り組みに限ってみれば日本国内有数だと私は思う。「とりあえず Google採用しました」で安心している他の検索ポータルよりもはるかに真剣かつ積極的に新しい試みをしている。

何でもいいので、NAVER ( http://www.naver.co.jp/ ) で実際に検索をして検索結果画面を見てほしい。とりあえず「市川由衣」で検索をすると、画面の上から順番に「プロフィール」が表示されて、イメージ検索、ウェブ検索、掲示板検索(BBS検索)、動画検索・・・・と、キーワードの人名に関する一通りの情報を一覧できる。

「Yahoo!BB 個人情報 流出」で検索すれば、この情報に関して知識PLUS(知識コミュニティ)でやりとりされたQ&Aや、Webで交わされている情報(ページ検索)、掲示板での情報交換(BBS検索)が全部一覧できる。

ユーザーはこの検索結果をずらっと見ていけば、本当に自分が必要とする情報にたどり着ける。ページ検索に限られていないので、その点では他の検索エンジンよりも短いプロセスで広範囲にわたる情報にリーチできることになる。特に、そもそも”動画検索”や”画像検索””ショッピング検索”などといった専門検索の存在すら知らないような初心者ユーザーにとっては非常に利便性の高い検索サービスだろう。

近頃は Google や Yahoo! MSN を中心とした検索エンジン技術の開発競争、とかく検索アルゴリズムに注意が行きがちだが、検索の利便性を向上させるためには必ずしもアルゴリズムの改良だけではない。こういったインターフェースやちょっとした既存の「当然のフォーマット」に少し手を加えるだけでも独自性のある、しかし便利な検索サービスは提供できるのだ。

NAVER

http://www.naver.co.jp/

【NHN Japan株式会社概要  http://www.nhncorp.jp/ 】

NHN Japan 株式会社は、2003年10月に、検索ポータルサイト「NAVER」を運営するネイバージャパン株式会社と、オンラインゲームコミュニティサイト「Hangame」を運営するハンゲームジャパン株式会社が合併して誕生しました。今後 「NAVER」「Hangame」は、NHN Japan のサービスブランドとして、革新的な技術や価値ります。 NHN Japan は「Next Human Network」の頭文字を社名としており、インターネットによる素晴しいデジタルライフの実現のために、"人々をつなぐ次世代コミュニケーションネットワーク"を創造してまいります。

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