ネットレイティングス株式会社は2011年5月25日、インターネット利用動向調査「NetView」の2011年4月データを公表した。
データによると、ネイバージャパン株式会社が運営する「NAVER まとめ」の訪問者数が700万人を突破したことがわかった。「NAVER まとめ」は、インターネット上の様々な情報を自由に組み合わせひとつのページにまとめて保存、紹介できるまとめサービスの一つ。2010年11月にまとめページを作ったユーザーに広告収入を還元するインセンティブプログラムを発表したことで、大きく訪問者数を拡大した。
ネットレイティングスのアナリスト・西村友博氏は、「かつて検索の主流は人手を介して情報を整理したディレクトリ型検索からロボット型検索へと変遷してきましたが、ここに来てロボット型検索を補う形で人間が情報を集約するサービスが訪問者を伸ばしているのは非常に興味深い現象です。」とコメントを述べている。
図:NAVERまとめの上位流入元サイト(出典:ネットレイティングスのリリースより)
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今や数少ない検索プレーヤーの1つであるネイバーさんにはがんばって欲しいのであえて辛いコメントをすると、確かにNAVERは検索とコミュニティを融合した、新しい形のサービスを目指しているのはわかるけど、naver.jp (及びパートナー)で発生する検索クエリ数や検索トップページの訪問者数、つまりユーザーにとっての、検索サービスとしてのNAVER をどう伸ばしていくかが重要だと思うのですよ。NAVERまとめは伸びているんだけど、検索としてどうなのよ。最近は「お!」と思わせてくれるサービスがないのもちょっと残念。長期的な戦略で行っているのはよく理解できるけど、んー という感じ。
もう1つ。調査会社のアナリストの方から『ロボット型検索を補う形で人間が情報を集約するサービスが訪問者を伸ばしているのは非常に興味深い現象』ってコメントが出てるけど、それってGoogleやYahoo!の検索サービスからの流入によって発見されているわけで、"アルゴリズム検索を補っている"とはいわないと思います。米国で話題になってるコンテンツファームのサイトが、検索を補っているとはいわないでしょう?
単純に息の長いネタ的におもしろいコンテンツに偏りがあるから、検索で見つかりやすくなっているだけです。『検索エンジンには不足していたテーマという概念を補足』というのも変で、役立つリンク集の発展版に過ぎず、それって昔からありましたよね。検索エンジンにおけるファインダビリティ*に対する意識・戦略の違いの結果に過ぎないのではないでしょうか。NAVERさんをよいしょしたいのでしょうが、アナリストとして合理的なコメントしましょうよ。
*ファインダビリティ:発信した情報を見つけられる、探しやすくすること。
まとめサービスの「NAVERまとめ」の訪問者数が700万人を突破 ~ニールセン・ネットレイティングス、2011年4月のインターネット利用動向調査結果を発表~