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『AIRはHilltopアルゴリズムより優れている』 - Become CTO、Yeogirl Yun

Become.com

米新興企業のBecome, Inc.がショッピングサーチ「Become.com」をリリースしたが、同検索エンジンの開発者でBecome CTOのYeogirl Yun氏に、ブログ"MarketingShift"のJason Dowdell氏がインタビューを行った。

Becomeに搭載された新しい検索アルゴリズム"Affinity Index Ranking"(AIR)に関する質問が中心であるが、その中でYeogirl YunはAIRがHilltopアルゴリズムよりも優れていると回答している。Hilltopアルゴリズムとは米GoogleのKrishna Bharatが考案したアルゴリズムで、いくつかのエキスパートページを抽出、そのページからのリンク分析を行って検索クエリーに対して適合性の高いウェブページを見つけ出すものだ。

Yeogirl YunはHilltopアルゴリズムの欠点として、ターゲットページ(検索クエリーと関連性が高いページ)を見つける際に限られた数のエキスパートページしか参照しない点と、エキスパートページが参照できない検索クエリーの際にはHilltopアルゴリズムを適用できない点を挙げている。

対してAIRは検索クエリーに該当するトピックに関連するすべてのページのコネクティビティ(connectivity、リンクによる連結性、つながりのこと)を評価する。つまりHilltopはその名の通り、”丘の上にあるページ”の連結性しか評価しないのに対し、AIRは該当トピックに属するウェブ全体のリンクによるつながり全てを評価する。また、ターゲットページに対するリンクと、そのターゲットページから外部に出ているリンクも評価し、各々のスコアはAIRは応用物理と応用力学で使用されているコンセプトを用いて行われるという。

Yeogirl Yunはかつて"Googleキラー"として注目されたWiseNutの創設者。

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Hilltopアルゴリズム:Hilltopアルゴリズムは、米GoogleのKrishna Bharat氏が開発したランキングアルゴリズムの1つ。インターネットに張り巡らされたハイパーリンクの分析を通じてドキュメントの重要度(importance)や権威度(authority)を計算するというアプローチはPageRankと同様であるが、Hilltopアルゴリズムはその計算に用いるドキュメントを限定する点が特徴である。

Hilltopアルゴリズムは、ユーザが入力した検索クエリ及びそのトピックと関連する、選りすぐれたドキュメント集合(これをエキスパート・ドキュメントと呼ぶ)を選択し、それらのドキュメントが受発信するハイパーリンクを分析することで、当該クエリ(トピック)におけるドキュメントの重要度や権威度を算出する。

つまり、検索クエリと関連性が高いウェブが(リンクを通じて)推薦するウェブページを高くスコアリングすることで、特にジェネリックキーワード(いわゆるビッグキーワード)での検索品質を高めることができる。なぜなら、検索クエリと関連性が深い価値あるページが紹介するページは、きっと同じく価値が高いと推定することが可能だからだ。

なお、Hilltopアルゴリズムは検索クエリにマッチする少なくとも2件以上のエキスパートドキュメントを必要としており、この要件が満たされない場合は計算を行わない。つまり、HilltopアルゴリズムはPageRankをはじめとするその他のアルゴリズムと連携して動作し、Hilltopが結果を返さない場合は他のアルゴリズムによりランキングが計算される仕組みとなっている。

このアルゴリズムは、2003年11月の大規模な検索アルゴリズム更新(Florida Update)時に初めてGoogleランキングシステムに実装されたと言われており、その後、様々な改善が実施されている。

PageRankは検索クエリに依存せず、インターネット全体の世界におけるドキュメントの重要度を計算することから query independent ranking と呼ばれるのに対し、Hilltopはクエリにより同じ文書の重要度が変わることから query dependent ranking と呼ぶ。

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