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間違いだらけの検索キーワード選び - アイレップのSEMフロンティア

SEO が失敗するとき、最初に考えられる原因としてキーワード選定の失敗がある。なぜキーワード選定に失敗することが SEO の失敗につながるのだろうか。

■キーワード選定の失敗例

ビジネス書を専門に取り扱う書店を経営している A さんは、売り上げの低迷を打開するためにネットでの販売を始めた。しかし、サイトを立ち上げてはみたがアクセス数は伸びず、商品も全く売れない日々が続いた。危機感を感じた A さんは、ネット通販で年々売り上げを伸ばしている友人に助けを求めたところ「SEO で上位表示させたら売れるようになるよ」というアドバイスを得ることができた。

早速 A さんは SEO 業者に問い合わせを行い対策を依頼した。SEO 業者から「どのワードで上位に表示させましょうか?」と質問を受け、A さんは「うちで取り扱っている商品は『本』だから、本で検索順位の上位に表示されるようになれば売り上げにつながるはずだ」と考え本をキーワードに選び対策を依頼した。

半年後、A さんのサイトは「本」で検索した際に Yahoo!、Google 共に3位以内に表示されるようになり、アクセス数は大幅に増えた。しかし、アクセス数は増えたがそれが直接売り上げにつながらないという問題が発生した。 A さんは原因を調べたが具体的な解決策を見出すことができず、アクセス数は多いが売り上げのないサイトを維持し続けることになってしまった。

■主観でのキーワード選定は NG

上記の失敗例の最大の問題は、ビジネス書を求めているユーザーが検索するであろうキーワードを考慮することなく、A さんが主観でビジネス書の総称である「本」を SEO の対策キーワードとして選定したことにある。

実際に「本」で検索をかけるユーザーは小説や参考書、歴史書など多岐に渡るジャンルの本を検索している可能性が高い。そのため、ビジネス書以外の書籍の情報を求めている人は、上位に表示されていた A さんのサイトを訪れたとしても即座に他のサイトに移ってしまうだろう。A さんはユーザーの立場に立たずにキーワードを選定してしまった。ここに失敗の原因がある。

■ターゲットユーザーが検索するキーワードを選定する

では、ユーザーの視点でキーワードを選定するにはどうすればいいのか。

まず最初にやるべきことは、ターゲットとするユーザーがどんなキーワードで検索をしているかをユーザーの立場になって考えることだ。上記の失敗例では、A さんはビジネス書を購入する時に自分がどんなキーワードで検索するかを考えるべきだった。そこから導き出されるキーワードとしては「ビジネス書」の他に書籍名や著者名との掛け合わせが考えられるだろう。

貴方の運営している Web サイトは、ターゲットとするユーザーの視点に合わせたキーワードでの SEO ができているだろうか。検索順位が流入数や売り上げに結びついていないといった問題が発生している場合は、ユーザーの立場になりキーワードを選定し直してみてはいかがだろうか。

執筆:株式会社アイレップ インターネットマーケティング事業部 SEO グループ SEOチーム 加茂宏一

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