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Googleパーソナライズ検索で利用されている履歴情報は?

米Google Search Quality TeamのAdam Lasnik氏が来日した際のインタビュー記事がWeb担当者Forumに掲載(Googleが進めているパーソナライズド検索やページ評価についてGoogleのアダム・ラズニック氏に聞いてみた)されています。この記事中の、パーソナライズ検索について。

パーソナライズ検索は、ユーザごとの過去の履歴情報に基づいて個別に検索結果をカスタマイズするサービスです。たとえば私が検索業界関係のクエリで検索をすると、Search Engine LandやSearch Engine Watchなどのページが検索上位に表示されやすくなっていますが、ログオフすると検索結果はガラリと変わります。

さて、パーソナライズ化するために参照している情報は、次の通りです。

  1. IPアドレス(アクセス元、地域)
  2. 言語設定
  3. 同一セッション内の直前の検索クエリ
  4. ウェブ履歴(要Googleアカウント)
  5. ページ履歴(要Googleツールバー)

本インタビューでは言及されていませんが、別のGoogleエンジニアの話では「Googleブックマーク」「iGoogleのガジェット」もパーソナライズする際の参照情報として利用されるとのことです。

IPアドレスや言語設定は、記事でも言及されている通り、同じクエリでもたとえば米国と英国、オーストラリアによって検索結果が変わるものです。同一セッション内の検索クエリは、アドワーズ広告に反映されます。Googleアカウントでログインして、かつウェブ履歴を有効にしていると、Googleサイト上での過去の検索クエリやクリックしたページが記録されているので、それに基づいた検索結果の個別化を行います。最後のページ履歴は、Googleで検索したかは関係なく、閲覧したあらゆるページ情報をGoogleツールバーを通じて取得し、それを(Googleの)検索結果に反映させていくものです。

Googleアカウントの有無にかかわらず、直前の検索履歴によるセッション内のパーソナライズ化や、アクセス元による最適化はすべてのGoogleユーザに提供されている点も認識しておくべき点でしょう。また、あらゆる検索クエリが常にパーソナライズされるわけではありません。検索結果がパーソナライズされているときは、自然検索の最下部(検索結果ページ数のリンクの下)に"ウェブ履歴に基づいてカスタマイズされています。"というメッセージが表示されます。

さて、過去の検索・閲覧履歴やIPアドレス、言語などの要素に基づいたパーソナライズは、ユーザに意識させずにGoogleが自動的に検索順位を調整しているものです。これに対し、ユーザが明示的に検索順位を個別化する方法も同時に提供されています。それが2009年5月に日本でも始まったSearchWiki(サーチウィキ)です。

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