SEMリサーチ

企業で働くウェブマスター向けに、インターネット検索やSEOの専門的な話題を扱います

SEOの悩み・問題の解決アプローチについて

最近 SEO 関連の担当になりました、これから勉強していきます!という方のために、私が本サイトで取り扱う「SEOの疑問・悩み・相談系」についての解決アプローチについて補足をしておきたいと思います。

私は時々、マットカッツ氏が SEO の悩みに回答するビデオの話題を取り上げますが、「そもそも質問者の意図がわけわかんないよ」とか「Googleの回答もおかしいだろw」とか内容についての紹介や説明よりも、そもそもの背景に苦言を呈することが多いことは自覚しています。きっと昔から当サイトをご覧頂いている方は、私の思考プロセスや文脈を何となくわかって頂いているのかもしれませんが、そうでない方も最近は増えてきたような気もしますので、そんな方のために、私の意図を少し説明したいと思います。

SEO の問題ではない事柄を、SEO観点で解決すべきではない

この業界で15年あまりの月日を過ごしましたが、私が最も尊敬するSEOのエキスパートを一人選ぶなら、真っ先に(もう業界から身を引いてしまいましたが)Jill Whalenさんの名を挙げます。彼女が大好きな理由は、2つ。第1に『疑問に対する回答だけでなく、なぜその回答が相応しいのか合理的な説明をしてくれる』、第2に『SEOが判断基準にならない疑問は、SEO で結論を出すべきではないと明確に指摘してくれる』ことにあります。彼女に頼み込んで(彼女が発行していた)ニュースレターの日本語翻訳版を作っていたこともありました。

「何でも SEO の視点で解決しようとしてしまう」「SEO 的に良いか悪いかを判断のものさしにしてしまう」これは SEO の仕事に携わる多くの方がきっと何度も陥るであろう罠だと思います。気持ちはよくわかります。

しかし、例えばインハウスSEO担当者の大半はSEOの仕事だけやっているわけではないでしょう。ウェブマーケティング全般やサイト運営など他の仕事もやりつつ、かつ SEO の仕事もしなければならない人は多いに違いありません。SEO だけに大半の時間を費やすことはできませんん。迅速に、確実に1つ1つのタスクをこなしていくことが求められているに違いありません。

検索しても、「あなたのサイト」に必要なSEOの情報は見つからない

私はSEMリサーチで発信する情報について「Googleが発信した情報をそのまま伝える」ことは目的としていません。Google が発信する情報の内容を知りたいなら、もっと上手な日本語翻訳で文章を書いてくれたり、発信内容そのものの丁寧な解説をしてくれる日本人の情報発信者はたくさんいらっしゃいます。雑で適当に端折って伝える私の記事よりもわかりやすいでしょう。

しかし、私は「SEO関連のお仕事をされている方が、現場でシンプルに問題を解決するための方法論」「実務上、どうすべきか」を伝えることを目的にしています。SEO の仕事をしていて疑問や悩みが浮かんだ時に、それをシンプルに解決するためには、どういう物事の考え方をすればいいのかを学んでもらえることを意識しています。それを学ぶことで汎用性がつき、様々な事象も自分で最適な答えが導き出せるようになるからです。

SEO の仕事をしていると、きっと「YES/NO」の回答を求めたい時があると思いますが、YES/NOの答えだけ覚えたところで SEO担当者としては成長出来ないでしょう。SEO は業種業態や取扱商材が違えば戦略は変わります。サイトの構造や会社組織、会社の事業戦略によっても SEO の最適解は変わります。「インターネットで検索すれば SEO の情報は何でも手に入る」かもしれませんが、あなたのサイトに必要な答えが見つかることは希でしょう。だったら、自分のサイトでの最適解を見つけるための思考プロセスを身につける必要があるのではないでしょうか。

・・・という背景のもとに記事を編集しています。SEO は「小さな努力の積み重ね」でもあります。正解は1つではありません。SEO の理屈だけを優先して物事を進めることは非現実的ですから、特にユーザエクスペリエンスが絡む要素において完璧なSEO施策を行うことは難しいでしょう。合格点は超えた施策をコツコツ積み重ねていった方が最終的に皆さんが欲しい成果は得られるに違いありません。

まとめ:基本的な問題解決手順

例えば、あなたが冷蔵庫を購入したいとします。この時に、自宅にあるサッカーボールが3個入るかどうかという基準で冷蔵庫の大きさを決めるでしょうか。決めませんよね。冷蔵庫にサッカーボールを入れることはあり得ませんから、それを判断基準にすることが誤りです。

・・・こんなおかしな物事の決め方を試みていることが、SEO の現場ではたびたびあるのが現実です。従って、こうした「関係ない基準は排除できるようになること」がとても重要です。

  1. それは SEO の問題か?ユーザエクスペリエンスの問題か?検索者の意図次第なのか? --- 自分が抱えている悩みや問題は、まず「SEO以外の観点」から納得できる回答がないかを模索してみる
  2. SEO も確かに考慮しなければならない時。この時は、その SEO が占める比重によって考える。例えば「フッターリンクはどう並べればいいのか」は確かに SEO の要素は絡むけれども(一般的に)インパクトは小さいので、サイトデザインの理屈を優先した方がよい、など。
  3. SEO の問題であると認識できたら、そこで初めて SEO担当者として良さそうな(効果がありそうな)施策がどちらであるかを検討するステップに入ることができる。

何度も繰り返しますが、SEO じゃない問題を SEO で解決しようとしても答えが出るわけではありません。SEO もサイト運営もユーザエクスペリエンスも互いに切り離せない関係にありますので、SEOの理屈で答えを求めること自体が無理なことは多々あるんだという認識を持って頂いて、別の切り口でとっても納得がいく答えがないだろうかと模索してみたらいかがでしょうか。

記事更新:2014年3月29日

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