A.J. Ghergich 氏が投稿した記事によると、米Googleがアドワーズ広告のキーワードデータを API を通じてサードパーティーに提供することを中止する方針だ。Search Engine Land も同氏を含む複数の情報源から確認している模様だ。
同氏は Google から直接説明を受けた信頼できるソースから入手した文書を読んだ上で、その概要を伝えている。要点は『Googleはサードパーティー(KenshooやMarin Software、Acquisio など)にキーワードデータを提供することを中止する』『アドワーズ広告アカウント内のレポートは従来通りキーワードデータを表示する』『この変更はウェブ解析ツールにも影響するが、Google Analytics についてはわからない』『今後、サードパーティーがキーワードデータにアクセスする手段はない』とのこと。この変更は数週間のうちに Google から公式に発表されるとのことだ。
Google は2014年3月に開催されたSMX West において オーガニック検索における not provided に絡む問題について、検索利用者のプライバシーを尊重しつつ、広告とのバランスを考慮した新しい解決方法を提示すると言及していた。オーガニック検索のデータが部分的に開示されるのか、それとも(マーケターにとって悪い意味で)バランスをとって広告側のデータも非開示となるのかなど、様々な憶測が流れていた。
BREAKING: ‘NOT PROVIDED’ TO SLAM 3RD PARTY PAID SEARCH
http://ghergich.com/blog/not-provided-slams-paid-search/
Report: Google To Block Paid Search Keyword Data With Not Provided; Like Organic “Not Provided”
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not provided 問題は、ユーザーの検索クエリというプライバシーを保護する目的でオーガニック検索に導入されてきました。しかし、相変わらずアドワーズ広告をクリックした時のクエリは(広告主に)開示されたままでした。プライバシー保護を掲げつつ広告側のデータを開示するのはダブルスタンダードだったわけです。これを是正しようと動いた結果が、本件です。
さて、報告によると、サードパーティーベンダーへの(API通じた)データ提供を中止するというお話のようで『アドワーズ広告のレポートには影響しない』とのこと。レポート出力すればデータは引き続き閲覧できるそうですが、これは痛いですよね。サードパーティーのツール上でデータ統合できなくなるなんて! Google としては、サードパーティーのツール上で他の様々なデータと統合されることが個人特定につながる恐れがあり、プライバシー侵害の懸念があると考えたのではないでしょうか。一方で、完全に情報非開示にすると広告の品質や正確性、収益に影響するでしょうから、落としどころがここだったってとこでしょう。
一人の生活者として、それはよく理解できます。わかりますが、うーー。
AdWordsのキーワードが取得できなくなる噂の件は、気になるところをちょうど昨日、目にしたんだよなぁ。なんにせよ、正式発表待ちでよいかと思うけど。
— ムラヤマ ユウスケ (@muraweb_net) 2014, 4月 9
まだ正式に Google から公表された情報ではありませんので、こういった報道受けて Google が何コメントするのか待つのが良いかと思います。