Google が、サイトリンクの検索ボックスを非表示にするための機能を用意した。
サイトリンクの検索ボックス
サイトリンクの検索ボックスは、検索結果画面のサイトリンクの1つとして当該サイトのサイト内検索を提供する機能。このサイト内検索は2つの仕様があり、(1) site: による Google 検索結果画面を表示する仕様と (2) 指定のschema.org に従ったマークアップを行い自社サイト内のサイト内検索結果画面を表示する仕様がある。特にマークアップを行っていない場合は (1) になる。
例えば(2014年10月27日時点)「ファミリーマート」と検索すると、自然検索結果の1位にファミリーマート公式サイトが表示され、その直下にサイト内検索窓が現れる。ここにキーワードを入れて検索すると、"チョコレート site:family.co.jp"、つまりファミリーマート公式サイト内に限定した(site:)検索結果が現れる。
schema.org で指定されたマークアップ(Potential Actionsプロパティを使用)を行うと、site: の結果ではなくて、そのサイトが独自に用意しているサイト内検索結果画面へ遷移させることも可能だ。例えば「楽天市場」と検索した時に現れるサイトリンクの検索ボックスを使うと、楽天内の検索結果ページに移動する。
独自サイト内検索を用意していないと競合サイトへの誘導してしまう可能性も
一見すると便利に見えそうなサイトリンクの検索ボックスだが、site: によるGoogle検索結果表示を選択する場合でも、あるいは独自のサイト内検索結果に遷移させる場合においても検討すべき課題がある。それぞれのケースにおける問題を具体的に例示する。
例えば、「るるぶ」(JTBの宿泊予約サイト)と検索して、その検索窓に例えば「北上 ホテル」と入力して検索すると、site:rurubu.travel に限定した Google検索結果画面が現れるが、競合宿泊サイトの広告が多数表示される(執筆時点)。これは Google にとっては広告収入機会を増やせるかもしれないが、宿泊予約サイトにしてみれば迷惑なケースに違いない。
また、あるECサイトで新品と中古品に加えて各種キャンペーンや手続き方法などの情報をすべて同一ドメイン内で公開している場合、site: で絞り込んだところで関連性に乏しい情報ばかりが出てきて、サイト内検索として実質的に意味をなしていないこともある。独自サイト内検索にリダイレクトするにしても、中古/新品などの細かなパラメータを制御できず、やはり扱いづらいことに変わりない。これまた検索窓の表示そのものを取り消した方が良いだろう。
以上の通り、site: による Google のサイト内検索結果を表示する時には競合社への広告が画面内に表示されてしまう可能性を検討しなければならない。一方、独自のサイト内検索に遷移させる場合、(ユーザーが Google 検索結果画面上でキーワードを入力した時の)意図を反映したサイト内検索結果が適切な絞り込み条件に基づいて表示されるのかを確認しておくことが重要だ。もしも不適切と判断するのであれば、検索ボックスそのものの表示を拒否する方が賢明だろう。
検索ボックス拒否は、指定の METAタグ1行を追加する
独自のサイト内検索を用意しておらず、検索クエリによって競合広告が出てくるようなケースでは、サイトリンクの検索ボックスそのものを拒否した方が望ましいと言える。以下の METAタグをトップページに記述することで、検索ボックスを拒否できる。
<meta name="google" content="nositelinkssearchbox">
Sitelinks Search Box
https://developers.google.com/webmasters/richsnippets/sitelinkssearch#disable