米Google は2014年12月16日、ニュース検索サイト・Google News スペイン版を正式に閉鎖したことを発表した。スペイン国内で2015年1月から施行される新しい著作権法に対処するためだ。
既報の通り、同国で改正著作権法が可決され、来年1月以降に新聞社や出版社の記事のほんの一部でも検索結果のスニペット(説明文)欄に引用表示する場合は、出版社に利用料を支払う必要が生じるためだ。利用料を請求するか否かの自由は個々の出版社に与えられていないため、検索結果に表示したいのであれば支払いが義務づけられる、事実上の Google をターゲットにした「グーグル税」だ。同社は同国政府の決定に対して「(Googleニュースそれ自体には広告を掲載していないため)事業継続は困難である」ことを理由に同国版Googleニュースを閉鎖することを発表していた。
cf. Googleニュース スペイン版の閉鎖を決定 改正著作権法が原因
16日現在、同国版サイト(news.google.es)にアクセスすると、閉鎖を案内するヘルプページにリダイレクトされる。
この決定は、スペインの利用者が Google News を利用出来なくなるばかりでなく、全世界のGoogle News 検索結果からスペインの新聞社や出版社の記事が一切表示されなくなることを意味する。Google の検索市場シェアはEU諸国全体で8割以上を占めるが、特にスペイン国内での Google 検索シェアは9割以上に達するほど事実上の独占状態にある。
Google の動きに懸念を示したのが、同国の新聞社出版社協会・AEDE だ。The Spain Report によると、AEDE はスペイン政府やEU競争当局に働きかけ、Google News サイトの閉鎖を中止させるよう要請していることが明らかになった。AEDE が11日に出した声明文で、Google News サイトの閉鎖は市場支配的地位にあるサービスが閉鎖されるだけに留まらず、確実にスペイン市民や企業に悪影響を与えるものであると述べている。
つまり Google からニュース記事を完全に排除されるのであれば、同国パブリッシャーに負の影響が及ぶ可能性を懸念しているということだ。同様に Google税を課そうと動いたドイツでは、Google がニュース記事を検索結果に表示する時に(課税を免除されるために)タイトル以外の全ての要素を一切非表示にしたところ、深刻なトラフィック減に悲鳴を上げた出版社団体が Google に泣きついた経緯がある。
cf. 独メディア、Google に「降伏」 検索結果に再び抜粋を表示するよう要請
検索サービスを提供する事業者は、同国でサービスの継続または中止を決定する自由がある。
Spanish Newspaper Publishers’ Association Now Asks Government To Help Stop Google News Closure
Google Noticias en España
https://support.google.com/news/answer/6140047?hl=es
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Google は「じゃ、サービス止めるわ」と言えるからね・・・こういう自体を想定して動いていたのでしょうか。