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分散する PageRank - リンク設置時に注意する点

他のWebサイトからリンクを張ってもらう際に、そのURLの記述に注意をしたことはありますか?多くのWebサイトはURL内の"www"の有無に関わらずアクセス可能ですが、SEOにおけるリンク対策において、被リンクにおける"www"の有無は PageRank / リンクポピュラリティーにおいて大変重要な問題になってきます。

 検索エンジン市場で圧倒的な人気を誇る Google。この Google への最適化による上位表示を行う為にカギとなる重要な要素がリンク対策 - とりわけ PageRank(ページランク) 対策です。PageRank についての詳しい説明は別記事で読んでいただくとして、基本的にあなたのサイトに対して他のサイトがたくさんリンクをしていれば、Webサイトは上位に表示される確率が高まります。PageRank はあるサイトから別のサイトに対してのリンクを「投票」とみなし、この投票をたくさん獲得したサイトは「多くの人に支持された」サイトとみなされ高く評価するからです。

 しかしこの PageRank ですが、たとえ他のWebサイトから多くのリンクを獲得しても、リンクの URL 指定の方法によっては PageRank が加算されない - 無駄になってしまう場合があります。

 URL を指定する時には、http://www.あなたのサイトへの URL といったように、http:// の後には www という接頭語がつきます。しかしサーバーによってはこの www を省略する事ができます。例えば travelagencyjapan.com というドメインは、http://www.travelagencyjapan.com でも、www を省略して http://travelagencyjapan.com でもアクセスをすることができます。

 一般的に、 www の有無に関わりなく目的のサイトにアクセスできるのであればその Web サイトを訪れたいユーザーにとっては何の問題もありません。しかしこの違いは、SEOにおいては大変重要な問題です。Google は www のある URL と www のない同一の URL を区別するからです。先ほどの例でいえば、 http://www.travelagencyjapan.comhttp://travelagencyjapan.com は内容は全く同じでも、クローラーは全く別のものと認識をします。別 URL と処理され、PageRank はそれぞれの URL に対して与えられます。

 従って、もしあなたの Webサイトにリンクをはっている方で、www をつけたURLを指定してリンクするサイトと www を省略したURLを指定してリンクするサイトが混在している場合、PageRank が個々の URL に与えられてしまい、2つに分散されてしまいます。分散された分だけ、リンクに対する評価も弱まってしまうのです。

 Google のようなリンク要素をランキングに考慮し、また SEO が注目されていなかった時代には、この www の有無は全く問題になりませんでした。今までのウェブマスターは特にこの www ありなし問題には注意を払ってこなかったはずです。外部のサイトにリンクをはってもらう時に、www のありなしまでは特に指示を出してきた方は少数派だったでしょう。しかし SEO が注目される現在、ずっと昔に配慮されなかった www の有無が混在した被リンクにより、リンク対策における問題が表面化してきたケースが少なくないのです。

 この PageRank 分散化問題を解決する為には、まず自分の Webサイト内のリンク状況を見直して www ありと www なしが混在している場合はどちらか一方に統一して PageRank を一方に集中させるようにするべきです。また外部サイトから自分のサイトに対してリンクをはってもらう時のURLのルール決めも行って、決定したURLでリンクをはってもらうようにお願いをした方がいいでしょう。

(執筆 渡辺 隆広 ACWS Japan SEMアドバイザー)

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