2007年5月にGoogleが発表したユニバーサル検索(Universal Search)。従来ウェブページへのリンクのみを表示していたウェブ検索結果に、キーワードとの関連性に応じて様々な種類のコンテンツへのリンクを表示するものです。例えば「表参道 眼科」と検索すれば検索上位に表参道周辺の地図を表示したり、「オリラジ」と検索するとYouTubeへの動画リンク表示をする、あるいは「船場吉兆」と検索すると同関連ニュースへのリンクが表示されます。
さて、これらGoogleユニバーサル検索は全検索クエリにおいてどの程度の割合で表示されるのか、米comScoreが調査を行いました。グラフは2008年1月のある週の米国におけるGoogleの検索クエリとクリックを追跡し、それぞれにおいてユニバーサル検索(結果)/非ユニバーサル検索(つまりウェブページへのリンクのみ)がどの程度の割合になっているかを表したものです。
全検索クエリに占める非ユニバーサル/ユニバーサルは83%:17%。次に全クリックに占める同割合は84%:16%。今度は検索広告がクリックされた時の同割合を見ると86%:14%。このデータからわかることは、3%ではありますがユニバーサル検索が表示された時は検索広告のクリックが減少することがわかります。米iProspectとJupiterResearchが実施したブレンド検索(Blended Search、ユニバーサル検索などの総称)の検索行動を見ると、ニュースや画像などのクリック割合が上昇していることも考えると、ユニバーサル検索を通じて様々なデジタルコンテンツが表示されることで相対的に自然検索のレレバンシー(Relevancy、関連性)が向上し、結果としてそちらがクリックされやすくなったのではないかと考えられます。
Yahoo!も「SearchMonkey」のリリースによってサイト運営者に検索結果情報を自由にカスタマイズすることを可能にしようとしています。普段最も利用するウェブ検索がこのように情報豊かになることで検索体験が高まる一方、はたして検索行動がどのように変化していくかにも注目です。[追記] グーグル日本国内でもユニバーサル検索をアップデート、画像の表示に対応しました(2008年5月8日)。
cf.