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Google ユニバーサル検索「地図検索」の重要性 - アイレップの SEM フロンティア

2008年に入り、日本においても Google ユニバーサル検索の展開が加速している。ユニバーサル検索とは、米 Google が2007年5月に発表した構想であり、検索キーワードにマッチする画像や地図、ニュースなどがある場合には、それを検索結果に含めて表示するというものである。

例えば、「品川 居酒屋」と検索をすれば Web 検索の上部に地図情報が、「あじさい」と検索をすれば Web 検索の上部にあじさいの画像情報が表示される。これまでは、検索結果画面の検索ボックスの上にある「地図」や「画像」といったタブをクリックしなければ見ることができなかった情報が、Web 検索の検索結果画面上で一度に手に入るのだ。

このユニバーサル検索が日本でも拡大の動きを示している。2008年5月には、米 Google の検索品質担当ディレクターが、ユニバーサル検索のグローバル展開について発表。この発表の直後に、日本においても Blog 検索や映画検索の結果が表示される、画像がより頻繁に表示されるようになるなど、ユニバーサル検索のアップデートが実際に確認されている。

さて、今回はユニバーサル検索の中でも地図検索に注目をしたい。地図検索は「代官山 カフェ」「東京 ホテル」などのキーワードで検索をした場合に表示される(※)が、検索結果に地図が表示されると、それより下部の Web 検索結果がクリックされにくい傾向があると言われている。

「代官山にあるカフェを探したい」という意図があるがゆえに「代官山 カフェ」というキーワードで検索するのであって、その検索要求は地図情報を見ることによって満たされてしまう。そのため、検索結果上で視線の流れが、地図の下部にある Web 検索結果まで到達しないのだ。また、ユニバーサル検索は Google モバイルでも実装されているが、この傾向はモバイルの方がより顕著に現れると考えられる。モバイル検索ユーザーは、検索行動とリアルの行動が密接に結びつく傾向にあり、「今入れる代官山のカフェを探したい」と考えて検索をするユーザーが PC に比べて多いからだ。

このような現象は、ユーザー側から見れば、検索キーワードに含む意図と検索結果の関連性が高まり、利便性が向上したと言えるだろう。しかし、これまで自然検索から流入が取れていた企業から見れば、その流入を一気に失うこととなってしまう。つまり、地図検索対応の重要度は確実に増しているのだ。

では、この地図検索に対してどのように対策を取ったらよいのかを解説しよう。

1.Google ローカルビジネスセンターへの登録

地図検索の最適化を行うならば、まずは情報を登録させることに重点をおくべきだ。Google の地図検索に情報を登録するには、ローカルビジネスセンターを活用すると良い。名称、所在地、電話番号などの基本情報の他、営業時間や画像なども登録できる。細かな情報登録や、登録後の掲載状況の確認など手間がかかる部分もあるので、マップ登録代行サービス(http://www.sem-irep.jp/sem/seo/seo_googlemap.html)のようなサービスを利用するのも一つの方法だ。

2.Web ページに住所を記載しておく

Google の地図検索結果は、タウンページなどの地域情報サイトから引用される場合もある。引用サイトの中には、アルゴリズムで処理するタイプのものもあるため、Web ページにしっかり住所の情報を記載しておくことは有効である。

3.クチコミ情報のモニタリング

ユニバーサル検索で地図情報が表示された場合、位置情報と併せてクチコミレビューが表示されることがある。レビューは、ユーザーが作るコンテンツであるためコントロールができない上に、ユーザーへの影響力が大きい。どのようなことが書かれているかをモニタリングし、悪評や誹謗中傷があった場合には正しい対応を取る必要があるだろう。

今後国内でもさらなる浸透が見込まれるユニバーサル検索。企業においては、その対応が迫られている。

(※)2008年7月17日現在

執筆:株式会社アイレップ インターネットマーケティング事業部 広報・販促グループ 斉藤佐知子

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