先日 Google が検索リファラを変更することを発表した。新しいリファラには検索結果画面上での掲載順位情報も含まれており、解析ツールがその取得に対応していれば、掲載順位も指標の一つとして確認することができるようになる。
例えば、Google Analytics ではフィルタの設定をすることで掲載順位が取得可能になるし、Omniture SiteCatalyst でも米国において掲載順位レポートの提供が開始されている。今後掲載順位取得に対応していく解析ツールは着実に増えていくことだろう。
今回は、さっそくこの掲載順位レポートの活用法をいくつか考察してみようと思う。新しいデータを活用したサイト分析の切り口として参考にして欲しい。
まず、思いつく活用法が「掲載順位と流入数の相関関係の確認」だ。掲載順位が上がれば流入が増えることは誰もが感じていることであるとは思うが、今回のレポートによりそれを定量的に把握することができるようになる。何位に表示されていたからどれくらいの流入があった、という現状の把握がこれまで以上に正確にできるようになるし、もしサイトに対する SEO を検討しているのであれば、そのデータを基に「少数のキーワードに絞って集中的に上位掲載を狙う」、あるいは「多くのキーワードに対してまんべんなく順位上昇を目指す」といった作戦立てが可能になるだろう。
次の活用法が「ユーザーの本気度の見極め」である。サイトへの流入のしやすさで言えば、やはり1ページ目掲載が圧倒的に有利である。しかし、流入しやすいがために軽い気持ちの「ライトなユーザー」が多く含まれている可能性もある。
一方で4ページ目(31位~40位)、あるいは5ページ目(41位~50位)から流入してきてくれているユーザーがいたとしよう。これらのユーザーは、ページを進むという労力を割いてまで流入してきてくれたユーザーなので、概して1ページ目から流入したユーザーよりも「本気度が高い」と推測される。
こういったユーザーを、きちんとコンバージョンにつなげることができたか、あるいはそういったユーザーのサイト内動向は他のユーザーと違いがあるのか、などを分析してみるのも面白いだろう。
また、有料検索(Google AdWords)のデータと連動させてみるという手もある。例えば自然検索の掲載順位とリスティング広告の平均掲載順位や CPC を照らし合わせ、単一キーワードにおける自然検索からのコンバージョンと有料検索からのコンバージョンの合計を最大化させる入札ロジックを考えてみるのも良いだろう。
他にもアイデア次第で多種多様な使い道がある非常に有用なデータだろう。是非存分に活用し成果向上へ役立てて頂きたい。
執筆:株式会社アイレップ Web 解析グループ 高木龍平