2011年6月1日に予定通りGoogle +1(プラスワン)をウェブページに表示できるボタンの提供が開始されたところで、あらためて検索マーケティングの観点から気になる点についてまとめておこう。
Q) Google +1 とは何ですか?
A) FacebookのLikes(いいね!)の用に、Google検索サービス上でユーザー同士がウェブページのレコメンド(推薦)を行うことが出来る機能です。+1したページは、友人(Googleソーシャルコネクトでつながっているユーザー)の検索結果画面に反映される場合があります。
Q) Google 日本語版でも利用できる?
A) 2011年6月1日時点ではgoogle.com(英語版)のみ。Googleアカウントにログインする必要があります。
Q) Google +1ボタンを設置する方法は?
A) Googleが+1ボタン作成ツールを提供しています。
Q) Google +1が検索結果に及ぼす影響は?
A) 第1に、オーガニック検索結果に友だちが+1したページが含まれている場合に、アノテーション(注釈)がスニペットの下に表示されます。たとえば、「上田さんと他 28 人のユーザーがこのページに +1 を付けました」といった表示です。Googleによると、『検索結果内で最も関連性が高いと判断された場合に』表示されるとのことです。必ず、というわけではない模様です。
Q) Google +1で検索ランキングが決まるのか?
A) Googleエンジニア・Matt Cutts氏によると、Google +1のデータもシグナル(関連性を判断するための手がかり)の1つとして扱う可能性があると明言しています。ただし、他の数多くあるシグナルの中の1つに過ぎないため、+1というユーザー評価によってすべての検索順位が決定するわけではありません(参考:ソーシャル検索はGoogleやBingの検索結果をどのように変えるか?)。
知らない人のレビューよりも、興味関心が同じ知人のレビューの方がレリバンシーが高くなるケースはあるので、理屈の上ではランキング決定要素の1つとして取り入れることになっても不思議ではありません。
なお、Google は +1の表示やクリック数に応じて、当該ページをクロール(再クロール)して、ページのタイトルとコンテンツを保存するとのことです。
Q) Google +1のアノテーションが表示されることによるクリック率などの影響は?
A) アイトラッキングを使った調査によると、ユーザーはアノテーション(友人のアイコンが表示されるところ)に注意がいくため、リンク選択の判断材料になっているようです。自分が面識あるユーザーのおすすめ情報ということで関連性が高くなるため、クリック率は少し上がると考えられます。
Q) Google +1はソーシャルグラフ内のユーザーに表示されるということですが、Googleが利用するグラフは?
A) Gmail やTalkのチャットリストに登録されているユーザーやGoogle連絡先のMyコンタクトグループのユーザー、Google Reader やBuzzでフォローしているユーザーです。詳細はGoogleソーシャル検索とGoogle +1で利用するソーシャルグラフの記事をご覧下さい。
Q) Googleモバイルには+1は表示されるか?
A) Googleモバイルは対応していないので、検索結果に+1は表示されません。
Q) ソーシャル検索が本格的に導入されると、検索アルゴリズムによる掲載順位決定はなくなるの?
A) いいえ、そんなことはありません。ソーシャルメディア関連の仕事をしている人の中には、PageRankを超えるもの主張する方もいますが、ソーシャル検索には課題もたくさんあります。ただ、GoogleやMicrosoftという最大の検索プレーヤーが本格的に着手したばかりですので、ずっと先の将来にどうなるかはわかりません。