米Googleは2011年5月19日、ユーザーの交流関係(ソーシャルグラフ)に基づいた検索結果を表示するソーシャル検索を、日本語を含む19言語に対応させたことを公式ブログで発表した。
Googleソーシャル検索は、検索結果に友人・知人が作成したコンテンツやリンクを共有したコンテンツが含まれていた場合、それをスニペットの下に注釈として表示する機能。検索結果の関連性を改善する場面として、面識のない第三者のコンテンツよりも親友の書いたコンテンツが望ましいケースがある。たとえば、ある映画のレビューは、友人が投稿したレビューの方が参考になる場面もあるだろう。ソーシャル検索は、ユーザーの交流関係に基づいて関連性が高い検索結果の提示を目指している。
ソーシャル検索は2010年1月より米国でベータ版としてリリース後、いくつかの改良を経て、今回の対応言語拡大に至った。日本(google.co.jp)で提供される機能は基本的に米国と同様で、Twitterのほか、Google ReaderやGmailでつながるユーザーが作成・共有したコンテンツにはユーザーのアイコン・名前の注釈(「○○さんが共有しました」など)が表示されることを確認した。
Googleソーシャル検索が参照するソーシャルグラフデータは、Googleがクローリングで自動的に作成されている。GmailやTalkのコンタクトリストやGoogle ReaderのRSS購読先のほか、Twitter、Google Buzzのフォロー相手が基本的なソーシャルグラフとなる。友人の検索結果に自分が作成・共有したコンテンツが表示される機会を増やすためには、Googleプロファイルを作成し、自分が利用中のソーシャルサービスのリンクを追加しておく必要がある。たとえば TwitterやFacebook、Blog、Friendfeed.com など主要なサービスの多くはサポートされている。
ソーシャル検索は、単に誰が作成・共有したリンクであるかを注釈として検索結果に表示するだけでなく、当該ページの検索順位にも影響する。ただし、パーソナライズ検索同様に、検索順位の変化はそのユーザーのソーシャルグラフや当該ユーザーとの関係性に依存するほか、すべてのユーザーが同じ検索結果になるわけではない。
Social Search goes global
http://googlesocialweb.blogspot.com/2011/05/social-search-goes-global.html
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ソーシャル検索の注釈が含まれる割合は、自分がフォロー・購読しているユーザー数や、そのユーザーがどれだけ情報共有しているかに依存します。あまりに無差別にTwitterでフォローしていると、検索結果にそのユーザー名が表示されても誰なのかわからず、結局、関連性の向上には役立たない(実感できない)というケースも。
最近はソーシャル検索を、ウェブ検索結果に含まれるウェブスパムの増加の文脈にあわせて、あたかもソーシャル検索がすべてを解決して(そしてFacebookが台頭する)といった説明をされる方を時折目にするのですが、ソーシャル検索ってそんなに万能ではないのです。結局、自分がどんな交流関係の中にあるかによって決定してしまうのですし、Googleのように機械的に作成したソーシャルグラフだとなおさら。このあたりは別の機会で解説記事を掲載する予定です。