「検索エンジン最適化」という観点から日本ではほとんど関心を持たれていないGoogleニュースだが、米国に目を向けるとニュース検索の最適化は比較的行われている。中にはある方法でGoogle Newsのインデックス対象に含めてもらった後に、スパム記事をばらまく輩までいる。
そのGoogle News SEOを専門に扱うサイト http://googlenewsrankingfactors.com が登場した。このサイトでは、Top 10 Most Important Google News Ranking Factors という記事で、ニュース検索結果のランキングで重要な影響を持つ10個の要素をあげている。ここでは紹介しつつ、私の見解も述べる。
- カテゴリ・オーソリティ
- ヘッドラインとページタイトル内のキーワード
- ドメイン・オーソリティ
- ソーシャルメディアでの記事のシェア数
- 最初の投稿
- サイテーション・ランク
- ユニークな記事
- Google Newsでの高CTR
- 高品質なコンテンツ
- XMLサイトマップの使用
* Google Newsはエディション(国・言語版)によって仕様が異なるので、ここでは日本版と米国版を前提に話を進めます
Googleニュースは米国版と日本版で、実質的な影響度を持つランキングファクターが少々異なります。実際のニュース検索のアルゴリズムがどうなっているかはさておき、ウェブマスターサイドから見ると、重視すべき点が異なります。
具体的には、日本版において重要なのは「カテゴリ・オーソリティ」「ヘッドライン及びページタイトルのキーワード」「最初の投稿」程度です。後は推奨という意味でXMLサイトマップの利用でしょうか。
「カテゴリ・オーソリティ」とは、特定分野(スポーツ、モバイル、音楽など)における権威度の程度を評価する項目のことです。一般論として、専門性の高いメディアは優れたコンテンツを作成する傾向にあるからです。ヘッドラインやページタイトルのキーワードは一般的なSEOでいう「タイトルにキーワードを入れましょう」と同様のことですが、ニュースメディアってこれができていないサイトが特に日本では多いのです。"日本ではこの基本すらできていないサイトが多いので"ここを徹底するだけでもニュース検索からのトラフィックは伸ばせる可能性があるのですが、皆さん手をつけない。
3点目の「最初の投稿」は、おおよそのケースで正しい。実際には、(最初に投稿されるから)みんなにツイートやシェアしてもらう総数も増えるので、結果的にランキングで上位に表示されやすくなるという要因もあるのですが、ニュース記事発行して最初の3日くらいでニュース検索で上位に表示される確率を増やしたければ、速報で流すのがベター。
Googleニュース米国版の場合は、これに加えて「ドメイン・オーソリティ」「ソーシャルメディアでのシェア数」でしょうか。その他の項目は、サイト管理者の方が「個々の記事のランキングファクター」と「サイト内のニュース記事全体の平均ランキングに関連するファクター」どちらの定義でリストアップしたのかに依存します。後者ならその他の項目はおおよそ同意、前者ならクリックスルーは直接的に関係ないと思います。
米国版はインデックス対象となっているニュースソースもケタ違いですし、日本と違って複数人で運営されているブログメディアも検索対象になっていることもあり、Googleニュースからトラフィックを獲得するには相応に最適化を行わなければいけないという事情が背景にあります。