米Googleウェブスパム対策チームトップのMatt Cutts(マット・カッツ)氏は最近公開したビデオで、rel="author" 属性(タグ)の普及でコンテンツ作成者の性質を理解できるようになれば、検索品質をより優れたものにできるとの考えに言及した。
同氏は、匿名性の高いコンテンツで溢れたウェブの世界から、コンテンツ1つ1つのアイデンティティが判別できる世界へ変化していくことで、ウェブスパマー達の活動は次第に制限されていくと説明。rel="author"属性の普及がそれを実現し、同時にコンテンツ作成者一人一人の権威性や信頼性、評判を検索エンジンが理解できれば、より優れた検索結果を提供できるようになると述べる。
例えば、サイト全体のPageRank(評価)が低いフォーラム(掲示板)があるとする。ここに非常に権威ある人物がコメントを投稿した場合、その投稿者のコンテンツのみを権威性や信頼性に基づいて高く評価するといった具合に、ページ単位ではなくコンテンツ単位で評価することが実現可能になる。。
Google は2012年5月にナレッジグラフ(Knowledge Graph)をリリースし、従来の検索キーワードの文字列認識から、現実世界のエンティティ(モノ)を理解する方向へと進んでいる。現実世界のモノや、モノとモノの関係性を理解することで検索技術をより高度な次元へと押し進めていくように、コンテンツ作成者の現実世界における権威性や信頼性を紐付けることで、検索が進化する可能性を秘めている。
Will Google be evaluating the use of rel="author" moving forward?
rel="author"はlink要素に記述する属性の1つで、コンテンツの著者情報の構造関係を検索エンジンに通知するための記述。1つ1つのページが何について記述されているかだけでなく、誰が書いたかを明らかにすることで、たとえばGooglelウェブ検索やニュース検索である著者が執筆した他のコンテンツをあわせて検索したり、Google+プロフィールと結びつけることで検索結果に顔写真アイコンと共に表示することができる。本文で言及した通り、将来的にはその著者の信頼性をシグナル(手がかり)として用いて、より関連性が高い検索結果を提示する可能性もある。GoogleのEric Schmidt氏の著書「The New Digital Age」でも『認証されたオンラインプロフィールと結びつけられた情報は、認証なしのコンテンツよりも検索結果の上位に表示する』と説明している。
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rel="author" 属性の可能性については、2年前にサーチエンジン情報館(そういえば全く更新していなかった・・・)にコラムを書いていますので、興味のある方は次の記事も併せてご覧下さい。
Google rel="author" 普及で実現できる、人物基準のレリバンシー評価 [サーチエンジン情報館]