米Google・Maile Ohye氏(Developer Programs Tech Lead) が2013年6月11日、米国シアトルで開催されたSMX Advanced Seattle 2013 のセッションの1つ"Authorship: The Deep Dive"において、コンテンツと著者情報を関連付けられるAuthorship(オーサーシップ)の利用について言及した。
rel=authorshipは2011年6月にリリースされた、オンラインのコンテンツとその作成者を紐付けて検索エンジンに教えることができる機能。2011年10月には、この著者情報を検索結果のスニペット(個々のページの説明文を表示するエリアのこと)に表示することが可能となり、検索結果に自分の作成したコンテンツ(ぺーじ)がヒットした場合に、顔写真やプロフィールが並べて掲載されるようになった。将来的には著者の信頼性や権威性を計算し、優れた人物が作成したコンテンツをより検索上位に表示する可能性もあるが、現時点で重要度を計算するためのシグナル(手がかり)としては利用されていない。ただし、検索結果に顔写真入りのプロフィールが併せて表示されることでクリックスルー上昇に貢献することは多くの専門家が認めている。
Maile Ohye氏は、このAuthorship 情報がスニペットから消えてしまった場合の理由として、ガイドラインを遵守していない場合があることを挙げた。同氏によると、Authorship は著者による記事へのマークアップが想定されており、ホームページ(サイトのトップページ)や商品詳細ページなど、汎用的な情報へマークアップするものではないという。
- Ohye氏は5月に開催された SMX Advanced London (2013) でも登壇しており、その際に Authorship の背景について述べている。Google はウェブの人気度や重要度を推し量る指標としてPageRankを持ち、現在もそれを利用している。PageRank はウェブのモノゴトを把握するものだが、Authorship はウェブのヒトを把握する機会を得るためのものだ。人々はその一人一人が固有の顔や素性を持ち、その一人一人がコンテンツを作成・発信している、だからその一人一人の素顔を把握するために AUthorship が必要だという。
そして、その一人一人の個人とAuthorshipマークアップはGoogle+ と深く、強く結びつけられる。なぜなら Google+はいわばGoogleにとって、パーソナル情報を提供するサービスプロバイダーの役割を果たすからだ。Authorship は信頼性や評判を知ることが可能となり、それが Googleソーシャルサーチにおいて重要な役割を果たしていると話す。
- シアトルのセッションで最後に登壇したスピーカー・米Advance DigitalのJohn Carcutt氏は、Authorship の所有権問題について言及した。これは Authorshipマークアップを企業に導入するよう提案した場合にしばしば相談される事柄で、要は企業のブログやサイトで記事を執筆していた従業員が退職等で会社を去る場合に、どう対処すればいいのか、という話だ。Carcutt氏はガイドラインとして、署名は変更しないことを薦める。
この話題はQ&Aセッションでも出てきたが、「人が会社を去り、別の会社に就職することは自然なことだ。だからそれを理由に authorship を導入しないことはやめよう」という点で他のスピーカーもおおむね同意していた。