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有料リンク販売/購入サイトのリスクとGoogleが与える制裁措置

Googleが長年に渡り注意を促す有料リンクの売買であるが、実際にこの行為を行った場合に、有料リンクの販売サイトと購入サイト、それぞれにどのようなリスクがあるのか。Googleはこうした有料リンク売買を発見した場合に、一般的にどのようなペナルティ(制裁措置)を与えているのか。

If a site linking to mine gets caught selling links, what happens to my site? - YouTube

一般論として、有料リンク販売/購入サイトに次のような制裁措置が執られる。

リンク販売サイト(Link Seller's Website):Googleツールバーに表示される PageRank値が下げられる。例えば有料リンクと認定されたディレクトリサイトは、軒並みPageRankが半分程度に下げられたことを確認している。The Standford Dailyの事例では PageRank が9から7に低下している。その他、日本でもかつて某SEO会社に唆されて有料リンクを設けた市町村サイトや地図サイトも、PageRankが30~50%程度に下げられるなど、おおむね半分程度のペナルティが与えられるようだ。また、有料リンク販売と認定されたサイト(ページ)から発せられるリンク(Outbound link、外向けのリンク)は、PageRankが渡されない。

リンク購入サイト(Link Buyer's Website):有料リンク販売サイトに制裁措置が執られた場合、先述した通り発リンクが無効になるので、それを受けるリンク購入サイトにもリンクの評価が一切渡らない。また、有料リンクも不自然なリンクとして Googleから取り外すようにウェブマスターツールを通じて指摘されることもある。2013年12月現在、Googleから不自然リンクがあるとの指摘を受けたサイトにおいて例示されたURLには、有料リンクが含まれていることが多々ある。

リスク:2013年12月現在、Googleは首尾良く有料リンクを検出して、リンク販売/購入サイト双方にその指摘をしている。また、Googleの有料リンク報告フォームから有料リンクの指摘をすると、3年前と比較してかなり迅速に対処をするようになった。例えば3年前では報告をしてから半年ほど経過して制裁措置が執られていたものが、最近では早ければ数日で問題サイトに対処をしている(話が逸れるが、あなたの競合サイトが有料リンクで何千ものリンクを獲得しているなら、それをGoogleに報告した方が良い)。ニュースメディアなど比較的PageRankも高いサイトであればリンクを高値で販売できることでビジネスとしたいであろうが、Googleから制裁措置が執られて検索トラフィックを低下させメディア価値を毀損するようでは本末転倒だろう。某新聞社は自社メディア内のわざわざユーザ自由投稿コンテンツが可能なスペースを設けて顧客を募ったものの、結局は悪用するユーザーが大半で全発リンクにnofollowを付与するという、全く意味のない資産を蓄積する結果とになっているが、同じ轍を踏みたいと思うだろうか。

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