米Google 特別エンジニア(Distinguished Engineer)・ Matt Cutts氏は2014年4月2日、同社検索アルゴリズムにおける人気度(Popularity)と真の権威性(Authority)の違いについてビデオで解説した。
How does Google separate popularity from authority?
As Google continues to add social signals to the algorithm how do you separate simple popularity from true authority ? Blind Five Year Old, SF, CA
同氏はまず、人気度(Popularity)とPageRank(≒Authorative) について述べた。Google が PageRank を発表して以来、多くのメディアが「ウェブサイトの人気度を測る指標」として紹介してきたが、この表現は適切ではない。例えば、アダルトサイトはインターネットユーザーの多くが1年中訪問する「人気」サイトであるが、相応の外部からのリンク(inbound links)を受けているわけではないし、実際、一般サイトがお勧めや紹介としてアダルトサイトにリンクを張ることは稀だろう。一方、教育・研究機関のサイトや政府・官公庁関係組織のサイトは、毎日の訪問者数自体は微々たるものであっても外部から多くのリンクを張られているという事例は多々ある。
つまり、「人気度」とはネットのユーザーのアクセス先、どのページが良く訪問されているかを表す指標であるが、PageRank は外部からのリンクに基づいた評判(Reputation)を推し量る指標ということである。
この両者を厳密に分けて取り扱うことは難しいのだが、Google は任意のクエリのトピック(話題)における権威性の高いサイトを特定し、検索上位に表示できるような取り組みを行っている。
例えば「白内障」というクエリを受信したならば、そのトピック(白内障、医療系)において(単純にアクセス数の多寡ではなく)皆に認められているであろう、しかるべきサイトが検索上位に表示できるような、そんなアルゴリズムが稼働することが望ましい。「東海大地震」であれば、どこのだれかもわからない人物による信憑性不明なページよりも、昔から地震研究で高い評判を得ているサイトを検索結果に表示することが好ましいだろう。
こうした判断を行うために、たとえばアンカーテキストを例に辻正浩氏で説明しよう。もし相当数のリンクが「SEO」関連のアンカーテキストを持っているならば、彼は「SEO」のトピックで権威がある可能性があると推定できる。同様に、「神」というアンカーテキストによるリンクを長年にわたり獲得しているならば、彼は「神」として崇められて良いと判断して良いだろう。彼が神であることは周知の事実なのだから、Google も私たちと同じように彼を「神」と認識できるようなアルゴリズムを開発することにより、より優れた検索体験を提供できるようになるはずだ。
現実にはアンカーテキストという指標のみで権威性の算出を行っているわけではないが、カッツ氏は具体的な指標には言及していない。ともかく、こうしたいくつかの指標を加えることにより、ある医療系のクエリで上位に表示されるべきサイトはどれなのか、ある旅行系クエリで上位に表示されるべきサイトは~といった権威あるサイトを見つけようと試みているのだ。
Google が実現したいことは、皆によく知られた(※ 世間一般で知名度が高いだけの)サイトを上位に表示するのではなく、あるクエリに対して表示されるべき(※ そのトピックにおいて権威ある)サイトを表示できるようにすることだ。
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タイトル見て面白そうと思って視聴しはじめたのですが、結局のところオーソリティのお話のやさしい解説でした。なお、次のことは肝に銘じておきましょう。『オーソリティはお金じゃ買えない』。外部リンクはお金出せば売ってくれる人(会社)をたくさん見つけられますけど、オーソリティは売ってないんです。登場して1ヶ月くらいで「この人は第一人者だ」なんて人はまずいないわけです、つまり Google は一定の期間におけるサイトの全体的な活動実績を評価することで、トピックにおける権威性を計算しようとしているのでしょうね。