米Google は2014年5月21日(日本時間)に発表した検索アルゴリズムの更新・通称パンダアップデート(Panda Update) 4.0について、英語検索クエリは 7.5%程度が影響を受け、一般検索ユーザーが気づくかもしれない程度だと述べた[関連:米RetailMeNot、Panda Update 4.0の「敗者」報道に反論]。
パンダアップデート 4.0 の影響範囲は言語により程度が異なるという。英語以外の影響については言及していない。
Google told us that Panda 4.0 affects different languages to different degrees. In English for example, the impact is ~7.5% of queries that are affected to a degree that a regular user might notice. [Google, Google Begins Rolling Out Panda 4.0 Now, SearchEngineLand, May 20 2014]
MozCastなど検索順位の変動状況レポートを公開しているサイトではいずれも大きな変動を報告している。また弊社(アイレップ)社内で観測しているデータでも本日(21日)から順位の動きを観察している。ただ、業界外(=一般)の人が気づく範囲における日本国内の動きは不明だ。米国の WebmasterWorld では、パンダアップデート 4.0 を機に自然検索トラフィックが大幅に増加したことを報告しているユーザーも複数確認できた。日本でも辻正浩氏が大喜びのツイートをしている。
うおー!さおー!
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2014, 5月 21
Google is rolling out our Panda 4.0 update starting today.
— Matt Cutts (@mattcutts) 2014, 5月 20
今回は米Google・マットカッツ氏自身が「Panda Update 4.0」と新しい数値をつけてツイートしているように、単なるデータ更新ではなく、パンダアップデートのアルゴリズムそのものも手を加えた新バージョンであることがうかがえる。現時点で Google から詳細な公式情報は発表されていない。来月シアトルで開催される検索業界のカンファレンス・SMX Advanced で同氏がキーノートで登壇する予定であるため、遅くともその日までに何らかの追加情報が発表されるはずだ。
現在までの海外での報告をまとめると、米大手オークションサイト・eBay の検索順位が米国・英国サイトともに大幅に下落している。海外の複数の専門家が指摘しているほか、私の手元にあるデータでも検索結果でのファインダビリティ(発見のしやすさ)に関する数値で eBay の減少を確認した。特に eBay の各商品カテゴリページの順位が落ちている。ただし、順位が落ちたのではなく「検索結果から削除された」という見方もあり、本当の理由はわからない。実際、過去に Google がある検索アルゴリズムを更新したタイミングで検索順位が下落した為にそのアルゴリズム変更を疑ってみたものの、実は全く関係がなく単なる手動対策(Manual Action)による順位低下だったという事例もあるからだ。
一方、英国では同じく eBay.co.uk のランキングが大きく落ち込んでいるとの報告があるが、データを見る限り4月末頃から急激に減少しているページもあり、(確かに5月20日のタイミングでランキングが落ちたページもあるのだが)今回のパンダアップデートが直接関与しているのかは不明だ。eBay は現時点で特にコメントは出していない。
米Searchmetrics は米国内におけるパンダアップデート4.0の「勝者」と「敗者」を紹介している。敗者上位には、Ask.com、starpulse.com、examiner.com、health.com などが名を連ねている。一方の勝者には yourdictionary.com、couponcabin.com, buzzfeed.com, wordpress.com などが自然検索トラフィックを伸ばしている。
Panda Update 4.0: Winners and Losers – Google USA
http://blog.searchmetrics.com/us/2014/05/21/panda-update-4-0-winners-and-losers-google-usa/
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Ask.com はすごくわかりやすいですよねー