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米Yahoo!、Microsoft検索プラットフォーム(Bing)への移行完了

米Yahoo!と米Microsoftは2010年8月24日、米国及びカナダのYahoo!ポータルサイトで提供する検索サービスについて、バックエンド技術がMicrosoftプラットフォーム(Bing)に完全移行したことを発表した。デスクトップPC版、モバイル版ともにYahoo! Searchの自然検索結果はMicrosoft提供に切り替わっている。

両社は2009年7月に検索事業提携を発表し、2010年2月に欧米独禁当局の承認を受けて具体的に提携を進めてきた。まず年内のアルゴリズムサイト検索技術と検索連動型広告配信プラットフォームのBingへの切り替えを目標としていたが、8月17日に移行スケジュールを発表、1週間で完全移行した。今後、他の国・地域でも順次、Yahoo! Search (YST) からMicrosoftへの切り替えを進めていき、2012年中に世界中での移行を完了する計画。

米Yahoo!シニアバイスプレジデント・Shashi Seth氏は公式ブログの中で、自然検索技術のバックエンドはMicrosoft製になるが、今後も検索利用者や広告主に多くの価値を提供するための、検索体験の向上を目指した技術革新に尽力していくと説明。また、存続が決定したオープン検索プラットフォーム・BOSSについても、収益モデルを構築するための最終調整を行っているほか、パブリッシャー向けの検索関連ツールも今後数ヶ月のうちに提供していくとの見通しを示した。

MicrosoftシニアバイスプレジデントのSatya Nadella氏は今後、自然検索結果の移行に続いてadCenter移行の準備に注力すると説明。ホリデーシーズンを目前に控えていることを考慮しつつも、2010年内(今秋終わり)までに、広告主に迷惑がかからないように移行を進めていくことが最重要の目標であると述べた。

最後に、Yahoo! Search Marketing Teamはバックエンド技術の切り替え完了後にウェブマスターが注意すべき点と対策について解説。目標としている検索キーワードの検索順位を確認したうえで、現状把握をすること、もし影響によりトラフィックを補充する場合はリスティング広告側での追加・変更による補充が可能かを判断することをアドバイスしている。

8月30日現在、米Yahoo! Search(米国・カナダ)はすでにMicrosoftの検索プラットフォームに切り替わっているが、ユーザインターフェース上は従来とほとんど大差がない。McAfeeによる保護機能や画面左側の絞込み機能など、従来同様となっている。あえて違いをあげれば、Yahoo! SearchMonkey(日本名:Yahoo!検索プラグイン)へのリンクが Options から消えている程度(※ 2010年10月1日をもってSearchMonkeyは終了)。

Exciting News From Bing And Yahoo! [Bing Community]

http://www.bing.com/community/blogs/search/archive/2010/08/23/exciting-news-from-bing-and-yahoo.aspx

Yahoo! Transitions Organic Search Back-End to Microsoft Platform [Yahoo! Search Blog]

http://www.ysearchblog.com/2010/08/24/yahoo-transitions-organic-search-back-end-to-microsoft-platform/

Yahoo! Organic Search Transition to Microsoft Now Complete [Yahoo! Search Marketing Blog]

http://www.ysmblog.com/blog/2010/08/24/yahoo-organic-search-transition-to-microsoft-now-complete/

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