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もう使えない・古いSEOの知識 2011 (その1)

検索エンジン最適化(SEO)は、検索エンジンに適切に情報を伝達・理解させて適正な評価をしてもらうためのサイト構築技術であるという点で、基本的な事柄や考え方は普遍的なものです。検索エンジンは、人が見て良いと思うサイトを、アルゴリズムで判断しようというアプローチを採用しているに過ぎず、本質は普遍なのです。しかし一方で、その最適化を(正当な)方法で効率よく実施するための施策やノウハウ・知識の中には、検索エンジンや検索市場の変化によって廃れるもの、適用できなくなるものもあります。

今回は第1回ということで、今まで取り上げてこなかったちょっとマニアックな部類に入る「使えないSEOの知識」を紹介していきたいと思います。実は昨年も古いSEOの知識 2010最新ではない、最新SEO 2010を公開していますので、未読の方はあわせてご覧いただければ幸いです。

Yahoo!ディレクトリ(米国)に無料で登録する

Yahoo!カテゴリ(米国名称:Yahoo! Directory)への登録は、ほんの一昔前なら日本では必須ともいえた作業です。それはさておき、一般論として、外部リンク構築の最初のステップとして挙げられるのが、人気ディレクトリサービス* への登録です。

* Yahoo! Directory など純粋にネットで人気の(あった=自然リンク多数)ディレクトリを指す。この文脈において、SEO目的の顧客を相手にした似非ディレクトリは含めていない

海外でオンライン事業展開するならもちろん、多様なサイトから様々な形式によるリンクを獲得する観点から、米国のYahoo! Directory に掲載することも有効な手段の1つとして考えられてきました。人気の高いYahoo!というサイトからのリンク、その上、複数のYahoo!サイトからリンクが獲得できるのであれば、サイトの信頼性スコアを高めるには貢献しそうです。

しかし、日本なら商用サイト向けに「ビジネスエクスプレス」が用意されているのと同様、米国でも Yahoo! Directory Submit という有料サービスとして提供されています。

日本のYahoo! ビジネスエクスプレスは申請時に一定の費用が発生しますが、掲載後は基本的に費用はかかりません。しかし一方の米国 Yahoo! Directory Submit は年間$299と、掲載維持コストが発生するという違いがあります。このランニングコストが発生する点が、「SEOの費用対効果の観点から、Yahoo! Directory のコストを正当化できるのか?」といった議論がよくありましたが、ともかく、できればお金を払わずに掲載したいものです。

前置きが長くなりましたが、実は無料でYahoo! Directory米国版に掲載する方法がありました。それは、「Yahoo! Directory掲載を無料で提供している、他の国のYahoo!から申請する」という方法です。

どの国のYahoo! Directoryにも、日本版の「地域情報」に相当する、他の国のサイトを紹介するディレクトリが用意されているのですが、実はこのディレクトリだけ、他の国に自動的に反映される仕組みになっていました。たとえば、シンガポールのYahoo! Directory 内の Japan に掲載されると、米国版Directory の Japan にも反映(登録)されるのです。

当時、Yahoo! Asia や Yahoo! India、Yahoo! Singapore といった、アジアのYahoo!の多くがディレクトリ登録を無料で行ってました。さらに、他国と比較して申請件数も多くないのでしょうか、それともディレクトリの情報量を充実させたいのか定かではありませんが、迅速にサイト掲載が行われていました。つまり、これらの Yahoo! を通じて英語サイトを申請すると、無料で簡単にディレクトリ登録することが可能だったわけです。さらに申請時に使ったYahoo!ディレクトリに掲載されるだけでなく、米国版にも掲載されるのですからお得ですよね。

残念ながら、本コラムを公開した2011年5月31日時点で、この知識はあまり役立ちません。Yahoo!はMicrosoftとの検索事業提携後、欧州各国のディレクトリを閉鎖して米国に統合している通り、国別ディレクトリの縮小に動いています。アジア各国もディレクトリや申請窓口自体がなくなっているものもあります。

こうしたYahoo!側の体制の変化はもちろんですが、今日の検索アルゴリズムの評価方法や、YSTがなくなったことなどの検索技術のトレンドの変化も重なり、あまり意味のないノウハウ・知識となっています。

DMOZ (Open Directory Project) に複数サイト登録する

これは主に、多言語でオンラインビジネスを提供していた会社の一部が利用していましたが、現在では使えないSEO知識となっています。

DMOZ は世界中のボランティアにより運営されているのですが、国によってエディター達のやる気やサイトの判断基準は大きく異なりました。申請件数が膨大な米国と、極端に少ないアジア各国版のDMOZ では、エディターの性格が異なるのは当然です。そこで、商社や輸出入ビジネスに関わっていた企業が行ったのが、「サイトを複数言語に対応させて、その言語ごとに各国(言語)のDMOZに掲載申請を行う」という方法でした。

英語圏(米国)は一定の品質があると認められたサイトはスムーズに登録されますし、申請件数自体が少なく米国以外の英語圏に申請すれば、比較的簡単に登録が行われました。フランス語やスペイン語、ハングル、マレー語などになれば、登録が容易なケースもありました。実際にその国・言語でビジネスを行っていないとコンテンツ作りが厳しいですし、翻訳費用もかかるのが難点ですが、SEOの観点からは当時は(本当にその国・言語でサービスを提供するならという前提条件付きで)とても有効な外部リンク構築施策の1つと考えられていました。

しかし、間もなくこのノウハウは通用しなくなります。過去にDMOZクローン問題の記事で指摘した通り、DMOZクローンによるスパムが氾濫した時期があり、それに対処するためにGoogleはリンクのレピュテーション評価のアルゴリズムを変更して、DMOZ(及びそのクローンからの)多重リンクを無効にする措置をとっています。また、DMOZの登録プロセスも一部で停滞するなど、申請後になかなか登録がされないこともあり、申請作業自体が時間の無駄になってきたという背景もあります。

headにリンクを埋め込んで外部リンクにする

Yahoo! SEO 誰でも順位が上がるたった1つの方法を参照のこと。検索技術がGoogleに切り替わった今日、この手法は全く通用しませんのでご注意下さい。

繰り返しますが、上記の内容はもう使えませんので、試さぬようお願いします。何か問題が発生しても責任は持ちません。

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