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Facebookグラフ検索を更新、過去の投稿が検索可能に 友達限定

米Facebookは2014年12月8日、ユーザーが Facebook上に投稿したコンテンツを検索できるグラフ検索(Graph Search)のアップデートを実施し、自分が投稿したコンテンツあるいはフォローしている友人の投稿内容を過去に遡って検索できるように変更した。

Facebookグラフ検索、知らないユーザーの投稿は検索対象外へ

同社は2013年1月にソーシャルグラフと密接に連携した Facebookグラフ検索を発表して以後、幾度かのアップデートを行ってきた。当初はユーザーや写真、場所、興味などが検索対象となった一方で過去の投稿は対象から外されていた。今回のアップデートで再び過去の投稿が検索対象に含まれることになる。

具体的には、ユーザー自身の投稿、フォローしている友人の投稿、あるいは共有対象に自分が含まれている投稿が検索対象となる。ただし、ハッシュタグ(#)を用いて検索した場合のみ、1兆以上のインデックス全てが検索対象となり、知らない他人の投稿も検索結果に表示されるとのことだ。

cf. Facebook、グラフ検索で全ての投稿が検索可能に

Facebook はグラフ検索発表以後、友人関係を問わず同プラットフォーム上に投稿されたあらゆるコンテンツを1つの検索窓を通じて検索可能にすることを目指してきた。1年経過した現在も未だ実現されていない理由について同社グラフ検索担当責任者の Tom Stocky氏は、Facebookユーザーが求めている検索(の関連性)は、一般の(GoogleやBingなどが描く)関連性とは異なることが判明したことを挙げている。

投稿内容の関連性だけでなく、投稿者の関連性も重視されるグラフ検索

同氏は、友だちや知人とのコミュニケーションが中心となる Facebook においては、キーワードと投稿内容との関連性のみならず、自分と交友関係ある誰が投稿したものかも重視されることがテストで明らかになったと説明している。

検索のGoogleと閲覧のFacebook

Google や Bing はインターネットから自分がその瞬間に必要とする情報を探し出す、文字通り「検索」の場所だ。「ぐぐる」という言葉がある通り、ネットで情報を探すイコールGoogleであり検索サービスだ。しかし、その時に Facebook は想起されない、例えば札幌市内のおいしいイタリアンのお店を探そうという時に Facebook にダイレクトにアクセスして検索することは一般的ではないだろう。つまり Facebook に求められる検索機能は Google のそれとは大きく異なるものであり、前者の特色の1つは「過去に閲覧したことがある投稿の再検索」という点だ。例えば札幌市内で料理店を探そうと思った時に、「そういえば○○さんが前に投稿してたお店良さそうだったな」という漠然とした意図に基づいて検索が行われるといった具合だ。

cf. Facebook、新しい地域情報検索サービスを公開

Facebook はいずれ地域情報検索などと組み合わせた事業展開も検討していると言われるが、Facebook は多くのユーザーにとって検索する場というよりも閲覧する場だろう。こうした特性の違いを踏まえて、今後どういった方向性でグラフ検索を発展させていくのだろうか。

グラフ検索は米国ユーザ限定、モバイルアプリもリリース

Facebookグラフ検索は現在ベータ版で、使用言語を英語に設定した米国ユーザー限定で公開されている。また、アップデートにあわせてモバイル向けにデザインされた iOS用アプリも公開されている。

Updates to Facebook Search

https://newsroom.fb.com/news/2014/12/updates-to-facebook-search/

Facebook Search

http://search.fb.com/

Tom Stocky(Facebookグラフ検索担当責任者の投稿)

https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10100415252397668&set=a.684586166678.2177944.710490&type=1

Facebook Search Finally Lets You Search For Posts Again

http://searchengineland.com/facebook-search-finally-lets-search-posts-210308

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